大谷妻・真美子さんの5000円「バッグ」に韓国メディアが注目するワケ

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高級バッグ授受疑惑

 尹大統領側は「政治工作」と反発していたが、「高級バッグ授受疑惑」を3カ月間調査していた国民権益委員会が、調査結果の公開を4月10日に行われる総選挙(定数300、小選挙区254議席、比例代表46議席)の終了後に延長したことで進歩派の韓国メディアから強い批判を浴びている。

 3月に実施された世論調査によると、尹大統領の支持率は前回と同じ39%だが、不支持率は54%と前回から1ポイント上昇しているのも不安定な要素だ。尹政権は医学部の入学定員の2000人増員計画をぶち上げ国民の支持を集めたいところだったが、全国医学部教授協議会(全医教協)が「韓国の医学に衰退をもたらす」などと猛反発し混乱を極めていることも政権に打撃を与えている。

 加えて尹大統領にとって気がかりな存在が、チョ・グク氏だ。文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の側近で元法務部長官を務めたが、不正が次々と明るみに出て、剥(む)いても剥いても疑惑が出てくることから「タマネギ男」と批判された人物だ。本人は疑惑を否定しながらも23年2月、子どもの大学不正入学に絡む偽造私文書行使などの罪でソウル中央地裁から懲役2年の実刑を言い渡され、24年2月にはソウル高裁が一審判決を支持したため、チョ・グク氏は上告中だ。

 そんなチョ・グク氏が総選挙の台風の目となっており支持を集めているというから穏やかではない。「チョ・グク氏が革新系新党の祖国革新党を立ち上げると、進歩系最大野党の共に民主党や保守系与党の国民の力、それぞれに反感を持つ有権者から多くの支持が集まり始めました。総選挙の費用調達のために募集した『青い火花ファンド』も受け付け開始からわずか1時間で目標額の4倍となる200億ウォン(約23億円)を調達するなど破竹の勢いです。比例区で10議席を獲得するのは確実で本人も当選圏内とみられています」(現地記者)

 チョ・グク氏は最高裁で刑が確定すれば収監されるが、本人はすでに覚悟しており尹大統領に打撃を与えることが最大の狙いとなっている。なぜなら、法務部長官だったチョ・グク氏の家族に関する疑惑を徹底的に追及したのが当時検事総長を務めていた尹大統領、その人だからである。肉を切らせて骨を断つ。まさにこの言葉がぴったりの復讐選挙なのだ。

過激な政治ショーへ

 ここにきて選挙情勢が野党有利で進む中、金建希氏の高級バッグ授受疑惑は選挙結果を左右する重大な政治イッシューと化すおそれがあるうえ、真美子夫人の「5000円バッグ」が「謙虚だ」として韓国メディアが大々的に報道していることも尹政権にとっては気がかりだろう。

「チョ・グク氏はソウル大学法学科を卒業し同大学院の法学博士課程を修了後、奨学生としてカリフォルニア大学バークレー校のロースクールに留学し学位を取得しています。英語ペラペラな上、アイドルのような端正な顔立ちで熱狂的なファンがいまだに大勢います。同じソウル大法学科出身でも司法浪人が続き9回目の司法試験に合格して33歳でやっと新人検事になれた尹大統領の泥臭い一面とは正反対です。それだけに対照的な2人の争いが大きな見どころとなっているのです」(同)

 怨念の対決が総選挙で再現されるとあって、この春の韓国政治は熱狂的なチョ・グク氏ファンを巻き込んだ過激な政治ショーと化していきそうだ。

デイリー新潮編集部

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