活動再開のフジモン 早く地上波で観たい“至高の名人芸”とは

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本格復帰には時間が必要だが

 藤本の活動自粛後に生放送された「オールスター後夜祭’23秋」(TBS)では、急きょ欠席したと思われる藤本の席に代役としてコウメ太夫が座っていた。藤本の代わりが務まる人材は存在しないので、番組スタッフも奇策でお茶を濁すしかなかったのだろう。

 火事と喧嘩は江戸の華と言われるのと同じように、ガヤはバラエティの華である。ガヤが上手い芸人はたくさんいるが、藤本に並ぶほどの実力の持ち主は、少なくとも彼より下の世代では今のところ見当たらない。

 本格復帰にはまだまだ時間が必要なのかもしれないが、不祥事を起こした芸人がYouTubeを拠点にして活動を再開して、少しずつテレビにも出ていくケースはいくつもある。「元祖ガヤ芸人」の至高の名人芸をまたテレビでも見てみたいものだ。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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