プロレス通「有田哲平」が説く、初心者に“推し”の魅力を教える方法…「いきなり“長州vs藤波”をすすめてはダメなんです!」

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「プロレスって、ずっと僕の中では“凪”なんです」

――僕が分かりやすいように、プロレスでたとえていただいていますが、共通言語でナビゲートされると、より解像度が高まります。おそらく、プロレス好きは、ものすごく食べてみたくなっているはずです(笑)。

有田:分からない人には、まったく分からなくもなりますから(笑)。今回、僕の中で行きたかったお店を訪問できたことで、清湯系醤油ラーメン、淡麗系醤油ラーメンの章が終わってしまったというか、ちょっと燃え尽き症候群みたいになっているんですよ。次はどこに向かえばいいんだじゃないけど。

――有田さんは、これまでプロレスへの関心が、いったん落ち着いてしまったことってないのですか?

有田:プロレスって、ずっと僕の中では“凪”なんです。小学生くらいがピークで、習慣になっているというか。

――好きなものを“凪”にするって素敵な考え方ですね。

有田:やっぱりそのためには、歴史だったり背景だったりを無視しちゃいけない。清湯系醤油ラーメン、淡麗系醤油ラーメンという王道的なラーメンにハマったのも、まずは全日本プロレスと新日本プロレスを理解しておこうみたいな考え方に近いんです(笑)。ここを知った上で、いろいろなラーメンを食べようって。赤池先生に聞くと、誰もやったことのない味や食べ方を提案して、みんなが真似し始めたらちょっと引っ込む人とかいるらしくて。ラーメン界にも佐山聡みたいな人がいるんだって。そういうラーメンを理解するためにも、王道って大事。

――突然、シューティング(現:修斗)や須麻比(すまい)みたいなことを提案する人がいると(笑)。

有田:ラーメンの歴史をたどる上で、絶対行くべき店があるわけですよね。そういうものと出会う中で、自分でテーマを見つけていければなと。僕は、ベスト3に縛られている男なんですよ。何かと言えば、ベスト3で考えてしまう。プロレスもそうだし、ラーメンもそう。「ここは好きなラーメン店ベスト3に入るかな、入らないかなって」って考えてしまう。今回、不動のベスト3が完成してしまった感があるのでちょっと燃え尽きていますけど、それを更新するものに出会えるかもしれない。だから、食べ続けているんでしょうね。

我妻 弘崇(あづま ひろたか)
フリーライター。1980年生まれ。日本大学文理学部国文学科在学中に、東京NSC5期生として芸人活動を開始。約2年間の芸人活動ののち大学を中退し、いくつかの編集プロダクションを経てフリーライターに。現在は、雑誌・WEB媒体等で幅広い執筆活動を展開。著書に『お金のミライは僕たちが決める』『週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ』(ともに星海社)など。

デイリー新潮編集部

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