「不適切にも」最終回の鍵握る喫茶&バー ロケ地の松戸・46歳「マスター」直撃「阿部サダヲさんは高校の先輩なんです」
1980年オープン 総額2000万円
店がオープンしたのは1980年のこと。「私が38歳の時、母と相談して、喫茶店をやりましょうと始めたんです」と、久美枝さんは振り返る。
開店前、久美枝さんは東京・下北沢にある同名の喫茶店を視察。当時のマスターに「同じような店を作りたい。名前もあやかって、同じ店名でも大丈夫ですか」と聞いたら、二つ返事でオッケーをもらったという。その後、別の店で見習いとして働き、焙煎のやり方などを習得した。
「下北沢の店舗が素晴らしかったので、カウンターなどを含めてほぼ全部、真似しています。外観や内観のイメージを伝えた後は、設計屋さんに全部お任せしました。食器なども含めた費用は全部で2000万円。しっかりした作りなので、地震がきてもびくともしません」(久美枝さん)
昼はランチで夜はバー、という設定はドラマと同じ。3代目・剛さんが作る家庭的な日替わりランチ(コーヒー・紅茶付き、850円)は大人気で、ドラマ放送前からランチ予約が取れない状況が続いている。ドラマで頻繁に登場するナポリタン(800円)も人気だ。
夜のバーでは、ドリンクがオール500円。「夜、計算がめんどくさいので、全部500円にしちゃったんですよ。明朗(会計)にしたかったんで」と剛さん。そうした大らかな人柄もあってか、夜は地元の社交場のようになって、大賑わいだ。
「ここで知り合って、仲良くなって結婚した人もいます。最近はドラマで知って、いらっしゃる方が多いですね。ドラマが放送される金曜夜は、カウンターでファンが集まって楽しそうに鑑賞しています」(剛さん)
主演の阿部は、店がある千葉県松戸市出身。
「偶然にも、阿部さんは私と同じ地元高校の先輩だったんです。(阿部さんの)実家もここから歩いて行けるところにあるそうです。撮影でいらした時、近くにあったゲーセンがローソンになっていたので、『ゲーセンは?』と驚いていました。ドムドムバーガーも中華そば屋になっていて、『ドムドムは? ないじゃん』とも言っていましたね」(剛さん)
阿部は地元の激変ぶりに仰天
ドラマでは、出演者らが1986年と2024年をタイムリープする形で物語が進んでいく。変わり果てた未来に、阿部が驚く様子が印象的だが、どうやら、現実世界でも地元の変化にビックリしていたようだ。
ドラマでは、喫茶&バーのトイレなど、多くの謎が残されている。「テンポが良くて展開も面白い。最後はどうなるか気になりますね」と剛さん。ちなみに、撮影料はどのくらいだったのか。
「そういう話になりましたが、お断りしました。ドラマで有名になったし、地域の活性化になれば、それでいいかなと思ったんです。やっぱり高校の先輩ですし…主演の方が(笑)。あんな面白いドラマに協力できて、本当に良かったと思っています」