“プロ注目”報徳学園のエース「今朝丸裕喜」がセンバツで躍動!スカウト陣は「昨年とは別人」と好評価 ドラフト上位指名へ
練習試合に10球団13人のスカウトが集結
多くのドラフト候補が出場している今年の選抜高校野球のなかでも、報徳学園のエース、今朝丸裕喜(新3年)がスカウト陣の注目度が高い。準優勝を果たした昨年の選抜では4試合に登板。当時は体が細く、球速は140キロ程度だった。それ以降、急成長をみせて、昨秋の練習試合で150キロをマークした。対外試合が解禁となった3月2日の神戸弘陵との練習試合に筆者も足を運んだが、10球団13人のスカウトが集結し、熱い視線を送っていた【西尾典文/野球ライター】
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そして、3月22日に迎えた初戦の愛工大名電戦。先発のマウンドに上がった今朝丸は、強力打線を相手に3回まで毎回ヒットを許し、6回に先制のタイムリーを浴びたものの、7回を被安打8、1失点と粘りの投球を見せた(※10回タイブレーク、3対2で報徳学園がサヨナラ勝ち)。
試合後、今朝丸は、この日の投球について、以下のように振り返った。
「今日は絶対に楽しもうと決めていたので、そこができたのが大きかったです。(立ち上がりから走者を背負ったことについては)去年と比べてメンタル面が成長したと思っていて、ランナーが出ても、そんなに気にならないというか、自分のペースで投げることができました。技術的には左足を上げた時にしっかり立つことを意識して、変化球もスライダー、フォークともに去年と比べて良くなったと思います」
「いつもあんな感じです。すみません(笑)」
今朝丸は、取材対応があまり得意ではないようで、記者の質問に少し考え込む場面もあった。バッテリーを組む捕手の徳田拓朗(新3年)は「天然というか良い意味であまり何も考えていないタイプ」と話していたが、マウンド上でのピッチングは堂々としたものだった。
「(受け答えが)いつもあんな感じです。すみません(笑)。気持ちの優しいいい子で、そのままマウンドにも上がってしまうようなところがあるので、『そんな調子ではエースナンバーは渡せないぞ』ということは言ってきました。ただ、この春はこちらも驚くようなボールを投げるようになりました。今日の立ち上がりは、少し変化球が多いなという感じで、長いイニングを意識していたところもあると思います。でも、ランナーを背負ってもよく投げてくれました。(三者凡退に抑えた)4回はストレートもよく走っていて、良い時はいつもあれくらいの投球ができる子です。ここからもっと(調子を)上げていってほしいですね」(報徳学園の大角健二監督、試合後のインタビュー)
大角監督のコメントにもあった4回は、4番からの攻撃だったが、この日最速となる148キロをマークするなど、愛工大名電の中軸を相手に2つの三振を奪った。それに加えて、8本のヒットを許しながらも、7回を87球という球数で投げ終えたところに、安定感がよく表れている。
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