小林製薬「紅麹コレステヘルプ」で遂に死亡例 有名内科医は「カネミ油症事件を思い出す」「サプリは日常生活に必要ない」
サプリより睡眠が大事
「それでも健康被害が生じた原因として、製造の過程で体に害を及ぼすカビのような物質が混入してしまったか、もしくはカビのような物質を選別できなかったという理由から、製品に含まれてしまった可能性が取り沙汰されています。いずれにしても、小林製薬の製造現場で何らかのミスが起きたのではないかとの指摘が増えてきています。ここで思い出すのが、1968年に起きた『カネミ油症事件』です。米油による食中毒事件ですが、米油そのものが健康被害を引き起こしたわけではありません。米油の製造過程でポリ塩化ビフェニルなどのダイオキシン類が混入したのが原因でした」(同・秋津医師)
サプリ人気は高まる一方だ。近年は特に「足りないビタミンCを補う」という栄養面のメリットだけでなく、「老眼に効く」、「血圧を下げる」という特定の症状に対する効果を強く宣伝する商品も多い。
「サプリは日常生活に必要な商品ではありません。南極に半年住むとか、極めて特殊な生活環境に置かれた場合なら効果も期待できるでしょう。しかし普段なら健康的な食生活を心がけていれば、それで充分なのです。今回の件をきっかけに見直してほしいのは『体に良いものを摂取したい』という“プラス志向”です。むしろ心がけるべきは『体に悪いものを排除する』という“マイナス志向”なのです。喫煙、深酒、暴飲暴食、睡眠不足、ストレス……こういった心身に悪影響を与える要素を減らしていくほうが、はるかに健康や長寿が期待できます。サプリを飲んで“0・1のプラス”を手に入れても、睡眠不足で“マイナス1”になってしまっては元も子もありません」(同・秋津医師)