小林製薬「紅麹コレステヘルプ」で遂に死亡例 有名内科医は「カネミ油症事件を思い出す」「サプリは日常生活に必要ない」

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 被害は、どこまで拡大するのか──。小林製薬の機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」で健康被害の報告が相次いでいる問題で、厚生労働省は2人目の死亡事例について、同社から26日に報告を受けたと発表した。この日、小林製薬はニュースリリースを配信し、「死亡との因果関係が疑われる事象」1件を明らかにしたばかりだった。

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 死亡事例だけでなく、入院患者の数も飛躍的に増えた。小林製薬は「26日現在で少なくとも26人」との見解を示していたが、それが106人と修正された。広報など小林製薬の対応にはかなりの混乱が見られ、企業イメージが激しく低下したことは間違いない。

 いずれにしても因果関係は不明だとはいえ、同社のサプリが原因で死者が出た可能性が出てきたわけだ。さらに被害の拡大も止まらない。多くのメディアが「死亡との因果関係を調査」などと、次々にニュース速報を配信しているのは当然だろう。

 同社の公式サイトを見ると、「紅麹コレステヘルプ」は《悪玉コレステロールを下げる》、《L/H比を下げる》との効果があると記載されている。担当記者は「リリースによると、遺族が『生前に紅麹コレステヘルプを使用していた』と小林製薬に連絡してきたそうです」と言う。

「亡くなられた方は、やはり腎疾患が死因でした。連絡を受けた小林製薬が調査すると、死亡者は通信販売を利用して2021年4月から24年2月までサプリを購入していたことを確認。さらに購入商品の中には『想定していない成分を含む可能性がある製品の製造番号』の記録と合致したものが含まれていたそうです。小林製薬はリリースで『謹んでお詫び申し上げます』と謝罪をした上で、死亡とサプリの因果関係について鋭意、確認を進めていくとの姿勢を明らかにしました」

3年前の発売という注目点

 デイリー新潮は2015年7月、「『ドクター秋津』のがんになるのはどっち? 人生はすなわち二者択一の積み重ね!――秋津壽男(総合内科専門医・秋津医院院長)」との記事を配信した。

 テレビ出演や多数の著作で知られる内科医の秋津壽男医師は、この記事の中で《サプリ市場は約2兆円の規模だそうですが、過剰摂取には注意が必要です》と当時から警鐘を鳴らしていた。

 改めて秋津医師に取材を依頼すると、「大手の小林製薬が製造したサプリでも重大な健康被害が発生したわけで、このことについては強いショックを受けています」と言う。

「私は認可されたばかりの新薬でも、新発売されたサプリでも、患者さんから『使ってもいいですか?』と質問された場合、『1年だけ、待ってみましょう』と答えていました。大半の薬害は、発売されてから1年の間に発覚するからです。ところが『紅麹コレステヘルプ』は2021年の発売ですし、亡くなられた方も約3年間、摂取していた可能性があるそうです。すぐに不具合を引き起こす悪性物質ばかりでなく、蓄積して初めて悪影響が明らかになる物質もあるのだと、医師として再認識させられました」

 秋津医師も「紅麹コレステヘルプ」について様々な情報を集めているといい、「紅麹そのものは安全ですし、小林製薬が製造していた紅麹の品質も、本来であれば問題はなかったようです」と指摘する。

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