なぜ「水原一平」通訳は大谷翔平を騙し続けたのか? 精神科医が指摘「水原氏は“相手を操作する”ギャンブル依存症」

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「操る者」の正体

 片田氏が続ける。

「水原氏はESPNに話したのとは別のストーリーを大谷選手の代理人に語るなど、話す相手によって説明の内容が違っていたと報道されています。ウソに一貫性がない点を不可解に思う人がいるかもしれませんが、“その場しのぎで平気でウソをつく”のもギャンブル依存症者の特徴の一つ。他人から見ればすぐにバレそうなウソでも次々とついてしまうのは、水原氏が“違法行為に手を染めている”という認識に加え、“バレたら仕事も収入も失う”との強い喪失不安と“自分が破滅する”恐怖を抱えていたことの裏返しと考えられます」

 さらに片田氏は水原氏についてもう一つ、興味深い「特質」を指摘する。

「精神科医の目から見ると、水原氏には“マニピュレーター”の性質もあるように映ります。マニピュレーターとは“他人を思い通りに操り、支配しようとする者”であり、うわべは穏やかで人当たりもいい反面、他人の不安や弱みを嗅ぎつける嗅覚にすぐれています。それを利用し、相手の信頼を得ることによって、自身の目的を達成しようとすることも少なくありません。大谷選手にとって、水原氏は不慣れなアメリカで野球人生を送る上で欠かせない人物だったのかもしれませんが、英語を100%理解できるわけではないという大谷選手の弱みにつけ込まれた面もあるのではないでしょうか。ギャンブル依存症者の周りには、必ずといっていいほど“イネーブラー”と呼ばれる『支え手』がいることはよく知られています。今回も大谷選手の意思とは関係なく、結果的に“イネーブラー”として大谷選手が利用された格好になったのは否定できません。地位を維持し、目的(ギャンブルのタネ銭や借金返済の資金)を手に入れるためなら、表面を取り繕い、ウソを重ねてでも信頼を得ていく“操作法”に長けたマニピュレーターの気質も、水原氏は兼ね備えているように見えるのです」(片田氏)

 事件の深層には「ギャンブル依存症」のひと言では片づけられない一面があるのか。

デイリー新潮編集部

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