千葉大学新学長は「人格は高潔」で物議…議事録公開が火に油…学長選は医学部による出来レースだった
国立大学法人・千葉大学は1月25日、昨年11月に死去した中山俊憲前学長(享年64)の後任に副学長で医学部附属病院長の横手幸太郎氏(60)を選定した。しかし、事前に行われた「学内意向聴取」で得票数が1位だった候補ではなく2位の横手氏が選ばれたことから、医学部を除く教授会と多数の学生・OBらが猛反発。「学長選考・監察会議」に議事録の公開と選定理由の説明を求めていた。
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学内意向聴取で得票数が1位だった同じく副学長で人文科学研究院教授の山田賢氏(64)については、『デイリー新潮』が2月28日配信の『異論噴出の千葉大学長選 得票率1位なのに選ばれなかった「副学長」はどんな人か』で詳しく報じている。
「学内外から寄せられた多数の要求に慌てた大学当局は、3月14日、ようやく議事録の一部などを公開しました。しかし、それによって事態は沈静化するどころか、さらに強い反論や疑問の声が沸き上がっています」(千葉大関係者)
議事録などが公開された当日、千葉大では各部局長ら幹部が一堂に会する教育研究評議会が開かれていた。対面とオンラインで40人ほどが参加した同評議会は、公開された文書をめぐって大荒れに荒れたという。
「前学長の改革を継続・発展させられる者」
「公開された文書は2点、議長名による選定理由の説明文と学長選考会議の議事録です。ところが、その2点の文書の内容が矛盾していた。議長の説明文では横手氏を選んだ理由の筆頭に《人格は高潔で、学識に優れています》と書いているのに、議事録には人格うんぬんといった発言はまったく残されていないのです」(同)
そして、次のように話す。
「議事録にあるのは横手氏と山田氏を推す、それぞれいくつかの意見です。横手氏を推す理由には、1位の山田氏も得票が過半数に達していない、前学長の改革を継続・発展させられる者を選ぶべき、といったものがありました。しかし、いずれの理由も定められた学長選考基準にはまったく合致しないため、《新学長の選考については、規定等に規定されているのだから、これに基づき選考すべきである》という声が上がりました」(同)
学内の納得を得られたとは到底言いがたい状況だが、くだんの説明文の末尾には《これ以上の説明は行いません》と明記されている。評議会も紛糾の末、「これ以上この件を追求することは選考委員への批判につながる」という理由で強引に議論が打ち切られてしまったという。
そもそも千葉大では歴代16名の学長のうち実に14名が医学部出身であり、前学長の中山氏もまた医学部の教授だった。一方、学内意向聴取で1位となりながら選ばれなかった山田氏は文学部の教授だ。「前学長の改革を継続・発展させられる者」を基準にすれば、医学部出身者に有利な“出来レース”と見られかねない。
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