【大変革の選抜大会】木製バットの方が飛ぶ、値段が高すぎる…「低反発バット」の導入で現場から出ている声

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タイブレークと2段モーションも

 今大会が「大変革の大会」になる理由は新バットだけではない。

「投手の2段モーションを認める」

「タイブレーク制は延長戦突入と同時に採用することにする」

 という、試合に直接影響をもたらすようなルール改定もされている。

「タイブレーク制の変更は、無死走者一、二塁の場面から攻撃イニングが始まる点は同じですが、これまでは延長13回からでした。今大会からは延長戦突入と同時に採用されることに。ベンチ入りメンバーも18人から20人に増えています」(前出・同)

 さらに現場の指導者が「転換期になる」と警戒している新ルールは、投手の2段モーションを認めたこと。投手が一度挙げた足を上下したり、停止する投げ方のことだ。「禁止していたのは高校野球だけ」(前出・スカウト)の声も聞かれたが、2段モーションを認めれば、足を上下させるスピードを変えるなどして、対戦バッターを惑わすことも可能となる。

 甲子園に駒を進める高校の球児は、小中学校の硬式野球クラブで活躍するなど早熟タイプも多い。中学時代から複数の変化球を操る投手も少なくないので、2段モーションによる“幻惑投法”もすぐにマスターするだろう。近年中に「打高投低」の傾向は完全に消滅すると見ていい。大量得点のビッグイニングが作れなくなれば、堅実に得点する作戦を選択する。送りバントが増えるのではないだろうか。

「センバツは、外野を転がる打球速度が夏の大会に比べて速いとされています。甲子園球場の外野の芝生がまだ若く、柔らかいからです。甲子園常連校はこうした春と夏の球場の違いも計算にいれていました。センバツに出場する際の準備として、外野手の間を抜けたときの返球の中継プレーを大切にしていました。新バットの出現で、準備する内容も考え直さないといけません」(私立高の指導者)

 高野連の「投手を守る」姿勢には賛成するが、爽快な力と力のぶつかり合いのゲームは少なくなってしまいそうだ。

デイリー新潮編集部

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