【光る君へ】病気も災害もすべて怨霊のせい 平安時代の常識を紫式部はどう見ていたか
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」は、登場人物が例年以上に非科学的な考え方に左右されている、と感じている視聴者も多いのではないだろうか。たとえば、第10回「月夜の陰謀」では、花山天皇(本郷奏多)が出家したが、これは亡くなった最愛の女御、忯子(井上咲楽)が成仏できず怨霊になっており、成仏させるには天皇が出家するしかない、とそそのかされたからだった。
そんな話を信じる天皇が悪い、と思うかもしれない。しかし、平安時代中期とは、年がら年中、生活の全方位で怨霊が悪さをしていると信じられている時代だった。...