世界を席巻する大ヒット曲「Bling-Bang-Bang-Born」 Creepy Nuts「R-指定」のラッパーらしからぬ“陰キャ半生”に多くの人が共感を示すワケ

エンタメ

  • ブックマーク

自分には「なんもないやん」

 R-指定が“ラップで生きていこう”と決めたのは大学2年生の時。すでにUMBに出場するなど“ラップ漬け”の日々を送っていたところ、大学から「奨学金」を打ち切られ、学費が払えなくなったことで退学を決意。社会との接点が絶たれ、“ラップで食っていく”と肚を固めたという。

 その後、UMBで3連覇を果たし、「史上最強」「バトルの申し子」などの称号を得るが、当時は「(3連覇達成で)バトルは引退」すると決めていたという。しかし1年後、ラッパーのZeebraから2015年にスタートしたTV番組「フリースタイルダンジョン」(テレビ朝日系)への出演オファーを受けたことで人生に転機が。番組の人気とともにR-指定の知名度も急上昇していくことになる。

「McGuffinチャンネルで“これまでで辛かったこと”を訊かれたR-指定は『ラップに出会うまで』と答えています。それまでの自分は『なんもないやん』と。また彼は自分の書くリリック(歌詞)について、ストリートの世界とは無縁で“平和に生きてきた”一方で、自意識と格闘する等身大の自分を表現していると語っています。そのリリックを書く上で課したルールの一つが『自分の生きてきた道がダセェなら、ちゃんとダセェって言おう』――。一見、平凡な人生を歩んでいるように見える人間だって葛藤や苦悩、厄介な自意識を抱えており、“何がリアルか”は人によって千差万別。ケンカや犯罪などの武闘派エピソードを持っていない自分の半生をウソ偽りなくさらすことで、彼なりの“リアル”を訴えかけている。これまであまりフォーカスされなかった“非ストリート派”の現実を描くことで、ヒップホップというジャンルを越え、多くのフツーの人たちから共感や支持を集めています」(同)

 結成から10年の時を経て掴んだ念願の「大ヒット曲」を追い風に、2人はさらなる高みを目指せるか。

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。