藤井聡太の歯列矯正にひふみんが「ちょっと心配」と語る理由
人生最大の危機
そんな中、
「ちょっと心配です」
と言うのは、「ひふみん」の愛称でおなじみの加藤一二三九段(84)だ。
藤井は3月10日放映のNHK杯準決勝戦で羽生善治九段に勝ち、今年度の勝率も依然、史上最高記録を上回ったまま。「しばらくは藤井1強時代が続くだろう」との声も聞こえてくる。なのに、なぜ不安視するのだろうか。
「藤井さんの将棋は相も変わらずの絶好調ですが、棋士にとって歯はとても大事なんです」
そう断じながら、前歯を欠いた元名人は自身の現役時代を振り返る。
「長考に長考を重ねる私は無意識のうちに歯を食いしばっちゃう。それで歯を失ったの。20年も前の話ですよ。その後、歯を入れたんだけれども、どうにも頭が働かなくなっちゃった」
この時が「人生最大の危機」だったという。
「でも、入れた歯を抜いてもらったら、あらびっくり。以前のように自分でも感動を覚える一手を指せるようになったの」(同)
その体験ゆえ、「天才」の歯列矯正という新手を案じているとのことだ。
となれば、さすがの藤井の盤上にも黄信号がともるのだろうか。
引退から7年がたった今も、「将棋研究のために歯を入れない」と言い切るひふみんは、
「とはいえ、あの慎重な藤井さんが熟慮の末に始めたわけですから、今はつつがなく治療が終わることを願っております」