「男が女に負けるのは情けない」 柔道・溝口紀子が感じたジェンダーギャップ(小林信也)
「柔道を始めたのは10歳の時。生まれ育った福田町(ふくでちょう・現静岡県磐田市)の柔道教室です。1週目に、受け身も知らずに投げられて鎖骨を骨折。普通ならそれでやめるところですよね」
溝口紀子が笑う。
「悔しかったんですねえ。1週間後に石こうギプスを取ったら、骨がくっついていた。それで稽古に戻って」
元々男子と比べても体格が良かった。小学校6年の頃には静岡県内で溝口に勝てる男子はいなくなった。
「その頃から、男女差別というか“女性軽視”をすごく感じ始めました。...
つづきを読む