「正月も書斎に“出勤”したので怒ったことも」 作家・吉村昭の“こだわりだらけ”の書斎が見学できるように
「書斎に出勤しているみたい」
吉村はこの書斎を「この世で一番安らぐ場所」として愛したと津村氏は話している。
「(吉村は)毎朝8時に起きて朝食を取り、9時半には書斎に向かいました。12時半に母屋に戻って昼食を取ると、再び午後6時まで書斎にこもっていました。まるで書斎に出勤しているみたいでしたよ」
吉村は取材で日本中を旅したが、外泊は2泊までと決めていた。理由は早く書斎に帰りたいから。津村氏の記憶では「元日まで書斎に行くというので怒ったこともある」というほどだった。
「三鷹市吉村昭書斎」には、吉村夫妻に関する企画展示を行う展示室、茶室が設置されているほか、併設された交流棟で両氏の著作約700冊や映像資料などが常設展示されている。