“プロ野球チーム”が制作する「ドキュメンタリー映画」が続々公開…球団担当者は「予想を大きく上回る反響に驚いています」
「幕張の軌跡」も収録
「当初の予想を大きく上回る反響で驚いています。これまでの球団の主催試合に紐づいたビジネスに加えて、コンテンツの展開によってオフシーズンに新たなビジネスを生み出せた意義は深かった」と先の担当者も手応えを寄せる映像は、今季通算200セーブを達成した益田直也投手らチームを支えるリリーフ陣の活躍や、藤岡裕大選手の本塁打などで劇的な逆転勝利を掴んだ「幕張の奇跡」(10月16日・CS第3戦 対ソフトバンク)の後、続編に含みを持たせた内容で締め括られている。担当者が続ける。
「チームの順位や状況が日々変わっていく中で撮影し、ストーリーを作っていく難しさはありましたが、作品を通じて“もっと選手のことが好きになった”というお声を多数いただきました。何より、試合に臨む選手の想いをファンの皆さんに伝えられたことはとても良かったと感じています。ドキュメンタリー映画の制作を中長期的に展開し、マリーンズファンに定着して欲しいという思いは強いので、今後も球団内で相談しながら前向きに検討していきたい」
開幕を控えた3月1日には、DMMTVで劇場版には収録されなかった場面を盛り込んだディレクターズカットの配信も開始。
「球団は『vision2025』を理念に掲げ、2025年までに常勝軍団になることを目指しており、今年は『自分たちを超えてゆく。』というスローガンを掲げて優勝を目指します。栄光を目指す過程では今回の映画のようなさまざまなドラマがあります。そのような人間味のある部分も積極的に発信することで、もっとマリーンズのことを好きになってもらえたら嬉しいです」と、今季に向けた力強いコメントで締め括った。
「生卵事件」や「球団譲渡」も描いたホークスの30年史
昨季はレギュラーシーズンを3位で終え、クライマックスシリーズでも千葉ロッテに後塵を拝した福岡ソフトバンクホークスは、福岡ドーム開業30周年を記念した映画『思い出を、超えていけ。30th Documentary HAWKS』を今年1月に公開した。
「2023年はホークス球団創設85周年とドーム開業30周年のダブルアニバーサリーイヤーでした。その周年事業の締めくくりとして、福岡ドームができてからの30年をホークスの軌跡とともに映像化しようということで企画が始まりました」(福岡ソフトバンクホークス・メディア戦略部担当者)
1989年に福岡に拠点を移し、福岡ダイエーホークス(当時)としてのスタートを切り、1993年には全国初の開閉式ドームとなる福岡ドームが開業。しかし、球団の成績は低迷が続き、1999年に福岡移転後初の日本一を手にするまでは、常勝を掲げる現在の姿とはほど遠い状態だった。
作中には、現役選手に加えて工藤公康氏や秋山幸二氏、今季から指揮を取る小久保裕紀監督といったホークスOBも登場。王貞治監督(現福岡ソフトバンクホークス取締役会長)が、成績不振に怒ったファンから生卵を投げつけられた事件を語るなど、平成最多の7度の日本一を手にしたチームが乗り越えてきた困難も作中では克明に描かれている。
「福岡ソフトバンクホークスになって、クライマックスシリーズの呪縛などもあり、なかなか日本一になれなかった中、ついに日本一を達成した2011年はスタッフ全員思い入れが強く、当時の選手たちにもインタビューを行い、改めて当時の緊張感が伝わるような構成にしました。映画を作っていく中で、当たり前のことですけど、自分たちで制作するということは、自分たちが伝えたいことをしっかり伝えられるという魅力にも改めて気づかされました。2025年は福岡ソフトバンクホークスの20周年(2004年10月にダイエーから営業譲渡)にあたる年ですし、これからも何らかの形でチャレンジを続けていけたらなと思っています」
[2/3ページ]