大谷翔平の口座番号も知っていたのではないか…メジャー専門家が語る水原通訳解雇の甚大な影響
ドジャースの大谷翔平(29)とパドレスのダルビッシュ有(37)が初対決を果たした3月20日のメジャーリーグ(MLB)開幕戦から数時間後、とんでもないニュースが飛び込んできた。“大谷の分身”とまで言われた専属通訳の水原一平氏(39)が、球団から解雇されたのだ。
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開幕戦のベンチでは、いつものように大谷と水原が談笑する姿が見られた。ところが、この時すでに水原氏は、違法賭博のスクープを報じた米ロサンゼルス・タイムズの取材に応じていたようだ。
連邦政府から捜査を受ける違法賭博に関わったとされる水原氏は、ギャンブルに負けて莫大な借金を背負い、その返済のため大谷の銀行口座から送金したというのだ。詳細は今後の捜査で判明するはずだが、彼はすでに球団から解雇された。これは大谷にどんな影響を与えるのか。MLB評論家の友成那智氏に聞いた。
「影響は決して小さくないと思います。水原氏は大谷選手が所属していた北海道日本ハムファイターズの球団通訳でした。日ハムに所属する外国人選手の通訳を務め、当時から大谷選手とも付き合いはあったのでしょう。大谷選手が2017年オフにMLBのエンゼルスに移籍すると、彼も専属通訳としてエンゼルスに所属し、今シーズンからは大谷選手と共にドジャースに所属することになりました」
もっとも、大谷もベンチでは通訳を介さずに他の選手と談笑するようになったようだが、
「簡単なやり取りはできるでしょう。しかし、ドジャースに移籍した際のスピーチを聞くと、まだそれほどでもないと思います。英語でインタビューに答えていませんしね。今シーズンはバッター専門で行くので、それほど困らないかもしれませんが、ピッチャーとして出場する際は、試合前にゲームプラン会議が行われます。ピッチングコーチはもちろん、第1キャッチャー、第2キャッチャーまで一緒になって試合の組み立てを議論するのです。その場には通訳が必要です」(同・友成氏)
その専属通訳が、今シーズンの2戦目からいなくなるのだ。
あうんの呼吸
「もちろん、ドジャースは新たな通訳をすぐにつけると思います。契約書にも専属の通訳とトレーナーをつけることは明記されているはずですから。ただし、トレーニングやスケジュール管理を、あうんの呼吸でサポートしてくれる人がいなくなることは大谷選手にとって大きな影響が出ると思います」(同・友成氏)
水原氏は、通訳はもちろん、大谷の専属運転手やキャッチボール相手も務めた。大谷が21年のオールスターゲームのホームランダービーに出場した際は、捕手役も務めた。水原氏の支援なしでは活躍できなかったと大谷が語ったこともある。
「とにかく、水原氏は大谷選手に、24時間つきっきりだったと言っても過言ではありません。ですから、エンゼルスの監督やコーチは、大谷選手の状態を彼に聞いていたのです。遠征先では大谷選手は外出をしませんから、ホテルで一緒にいたのも水原氏です。大谷選手が野球に専念できるように最大の努力をしていたのが水原氏でした」(同・友成氏)
なぜギャンブルになどハマってしまったのだろう。
「今回の報道を見ると、どうやら水原氏が関わったギャンブルはエンゼルス時代のようです。そもそもエンゼルスという球団は、規律がユルいことで有名です。たとえば、球団の広報主任がピッチャーに麻薬を勧めて死なせてしまったこともありました」(同・友成氏)
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