「あの人の炎はもう消えかかっている」――鳴らない電話、NYの空を見上げピート・ハミルとの別れを覚悟した
映画「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」(1977年)の原作者として広く知られ、アメリカでは反骨を貫くジャーナリストとして、またコラムニスト、小説家として一世を風靡したピート・ハミルさん。かつてはプレイボーイとまで呼ばれた人だった。
来日したピートさんにインタビュー取材で出会った作家の青木冨貴子さんは、「ニューズウィーク日本版」創刊に先立ちニューヨーク支局で働かないかというオファーを受けて海外勤務が決まった。運命の糸に手繰り寄せられるかのように二人の仲は縮まるが、次第にピートさんからの連絡が滞るようになり――。...