駐禁の黄色紙に「違反金の納付を命ぜられることがあります」との記述が…この微妙な表現をどう理解すべきか 弁護士の解説

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駐車監視員は切符が切れない

「じゃあ、運転者=使用者の場合、点数を引かれたくなければ、出頭しないに限るってことですね。黄色い紙には運転者に宛てたメッセージ皆無で、『出頭してください』とも書いてないし」と、つい言ってしまうが、駐車対策課さんは、

「道路交通法改正以降、駐車禁止の確認が、警察官から駐車監視員の担当に変わりましたからね。駐車監視員は切符が切れません」と淡々と。

 そういえばと、昔の駐車違反の記憶を呼び戻す。タイヤと地面にチョークで線を引き、書き込んだ時刻も記して、一定の時間を過ぎれば、黄色い紙を貼られたり、ドアミラーに鍵付きの輪っかが取り付けられたりして、即「違反切符」が切られたものだ。

 2006年に「放置駐車違反」の新制度が開始され、駐車時間がたとえ1分でも取り締まられるようになっていた――と認識を新たにした。駐車監視員は、都道府県の公安員会の講習を受けて、試験に合格して資格を取った人たちだそう。確かに、あちこちでしょっちゅうお見かけする。

 つべこべ書いてきたが、ルールはルールだから、目下、私はつべこべ言わず「放置違反金」の納付書が届くのを待っているところである。

井上理津子(いのうえ・りつこ)
ノンフィクションライター。著書に『さいごの色街 飛田』、『葬送の仕事師たち』(ともに新潮社)、『絶滅危惧個人商店』(筑摩書房)、『師弟百景』(辰巳出版)などがある。

デイリー新潮編集部

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