茂木敏充幹事長に新たな“裏金疑惑”が 「ランチにしか見えない支出」が3年間で400件以上も
新たに浮上した“裏金疑惑”
自民党派閥の裏金問題処理に追われる総理を尻目に、茂木敏充幹事長(68)は次の総裁選に出馬せんと野望を滾(たぎ)らせている。だがそんな茂木氏の政治資金管理団体の少額領収書を精査すると、政治資金処理に関するある疑惑が明らかに――。後編では飲食店の領収書の宛名が各店舗の手書きではなく、ハンコで捺印されている問題について報じるが、前編では「ランチにしか見えない支出」が3年間で400件以上もある問題に迫る。【前後編の前編】
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自民党の中でも茂木敏充幹事長が率いる茂木派は、麻生太郎副総裁(83)の麻生派などとともに立件の憂き目には遭っていない。そのため、これまで両派閥は裏金問題とは無縁として、派閥を存続させる方針を貫いてきたのである。だが、
「茂木氏及び茂木派に対して、新たに“裏金疑惑”が浮上しています」
とは社会部デスク。
「2009年から22年の間で、茂木氏の資金管理団体『茂木敏充政策研究会』から政治団体『茂木敏充後援会総連合会』に総額4億4590万円の資金が移動していることが明らかになったのです」
何が問題なのか。
「資金管理団体は『国会議員関係政治団体』に該当し、人件費を除く1万円超の支出について、使途を政治資金収支報告書に記載するよう義務付けられています。一方で、後援会は『その他の政治団体』に当たるため支出の公開基準が緩く、5万円以上の政治活動費だけを公開すればよい。結果、この14年間で後援会の支出のうち、実に約94%が使途不明になっています」(同)
私的な飲食ではないかと疑わざるを得ない支出
同様の資金の移動は、茂木派ナンバー2の新藤義孝経済再生担当相(66)にも見られるという。政党支部は、資金管理団体と同じく「国会議員関係団体」に当たるのだが、
「新藤氏の場合、自身が代表を務める『自由民主党埼玉県第2選挙区支部』から『新藤義孝後援会』に10年間で2億6000万円を寄付しています。その使途の詳細は、やはりほとんど明らかにはなっていません」(同)
3月4日に開かれた参院予算委員会で、立憲民主党の蓮舫参議院議員もこの問題について「裏金を作っているのではないか。茂木派方式なんじゃないか」と追及。茂木氏及び茂木派の政治資金の処理の仕方に注目が集まっている。
そこで本誌(「週刊新潮」)は改めて、過去に情報公開請求で取得した17~19年の3年分の「茂木敏充政策研究会」の少額領収書を精査した。
まず、少額領収書を点検して気付くのが「組織活動費」として計上されている支出の中に飲食店の領収書が多いことだ。「組織活動費」の少額領収書は3年間で総計410枚に達し、17年は飲食関係だけで98枚、18年も97枚、19年に至っては127枚とその数を激増させている。
しかも、牛丼チェーンの「吉野家」での480円の支出(19年3月6日)やカレーチェーン「カレーハウスCоCо壱番屋」での2114円の支出(19年7月12日)に代表されるように、およそ政治活動とは思えない、私的な飲食ではないかと疑わざるを得ないものが目立つ。特に否が応でも目に留まるのが、カレー屋や麻婆豆腐専門店などの「辛いモノ」を提供する店の多さである。
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