拷問係の男たちが「長いこと手こずらせやがったな」…プロレタリア作家・小林多喜二が築地警察署で虐殺されるまで

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『蟹工船』などの挑発的な作品で知られる作家・小林多喜二。移住先の北海道で送った食うや食わずの子供時代は、後の彼に創作の道を歩ませた。共産党シンパのプロレタリア作家として注目を浴び、勤め先の銀行を解雇された翌年に上京。だがそれは逮捕と投獄の日々の始まりでもあった。「小林のやろう。もぐっていやがるくせに、あっちこっちの大雑誌に小説なんか書きやがって……」――凄惨な拷問で命を落とすまでの生涯をたどる。

(「新潮45」2006年2月号特集「明治・大正・昭和 文壇13の『怪』事件簿」掲載記事をもとに再構成しました。...

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