「大谷翔平」と「羽生結弦」と「松井秀喜」 結婚や離婚などプライベート発表で明暗を分けるファクターは

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「夫婦と球団の良好な関係もアピールできていた」

 結果、大谷は事態の主導権を握れた、と西山氏は語る。

「お相手のプライバシーを守りつつ世間の期待にも応えようと、大谷さんはメディアやファンが暴走しないようコントロール、つまりは主導権を握っていた。お相手とのツーショットでいえば、所属球団の公式Xを通じて公表したことで、夫婦がドジャースと良好な関係であることもアピールできていました。著名人が夫婦のツーショットを自ら公表すれば、お惚気(のろけ)や嫌味に捉えられてしまい、熱狂的なファンから反感を買う可能性もありますから」(同)

 対して羽生はといえば、

「羽生さんも事態をコントロールしたかったはずですが、お相手に関する情報を完全に秘匿したことで、ファンやメディアの間で消化不良が起きて、結果的に主導権を握り損ねたように見受けられます」(同)

 思い起こせば、大谷や羽生よりもはるか以前に、世界を舞台に活躍し滞りなく結婚発表を済ませた先人がいる。2008年、ニューヨーク・ヤンキースに在籍していた松井秀喜氏(49)は、夫人が「一般人」であるとして顔や名前を公表しない代わりに、直筆の似顔絵を披露して話題をさらったのだ。

 顔も名前も出さない、という点では羽生にも通じるのだが、松井氏の場合、今日に至るまで彼の考えは尊重されている。

 メジャーリーグで当時、日本人初の球団広報として松井を担当した江戸川大学教授の広岡勲氏に聞くと、

「あの時の会見では、できる限り松井の言葉で答えてもらうようセッティングしました。メジャーでは取材される側の義務と、する側の権利が規定されており、取材を拒むことはできない。隠し通すのは得策ではないし、スポーツ選手は自分がいかに競技に打ち込める環境を作るかが最も重要。そもそも結婚は相手あってのことですから、パートナーへの思いやりを第一に、バッシングを防ぐ対応が著名人に求められるわけで、結果的に世界中から祝福された大谷くんの対応は見事でした」

 3月21日発売の「週刊新潮」では、羽生の「メディア不信」を生んだ事情などと併せて詳しく報じる。

週刊新潮 2024年3月28日号掲載

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