大谷翔平のDH専念は不利? MVP予想はベッツ、アクーニャJrの方が上位に…米メディアが予想する理由を探る
それでも大谷はMVPを狙う
しかし、大谷が「DH専門選手はMVPに選ばれない」というメジャーリーグの歴史を塗り替える可能性もないわけではない。
3月6日のホワイトソックスとのオープン戦でのことだ。初回、内野安打で出塁した大谷は次打者の3番・フリーマンがレフトに打ち上げると、タッチアップで二塁を陥れた。タッチアップ可能な深い位置での捕球ではあった。その時点では「タッチアップを忘れていた左翼手のミス」と思われたが、大谷は次打席での出塁後に二塁盗塁も決めている。試合後、フリーマンはこう笑っていた。
「どんなカウントでもゴーサインだ。分かっている、話し合ったんだ。オオタニには100盗塁くらい決めてほしいね」
コメントの内容から察すると、大谷の盗塁は“打ち合わせ済み”ということになる。キャンプ中に大谷のトレーニングもサポートしたロン・レネキーGM補佐も記者団にこう打ち明けていた。
「彼に聞いたら、『走りたい』って言うんだよ。だから、トレーニング(春季キャンプ)でも、走力を強化するメニューを定期的にやったんだ。彼はもともと走るのが好きみたいだしね」
大谷が腰にゴムチューブを巻いて、トレーナーがそれを後ろから掴んで負荷を与えていたシーンが思い出される。レネキーGM補佐によれば、このトレーニングはオープン戦に入ってからも続けられているという。大幅な盗塁増がWARの加点となる。
「デーブ・ロバーツ監督は当初、大谷を3番で使うと言っていましたが、オープン戦では2番です。大谷を走らせ、機動力を絡めた攻撃をしようとしているのかもしれません」(前出・米国人ライター)
勝利に絡む盗塁は大きな加点ともなる。米スポーツ局「ESPN」など米国の複数のメディアは、大谷の打撃成績は「やや落ちる」とも予想していた。こちらはDH専念とは関係なく、万年下位のエンゼルスから、過去10年中9回も地区優勝を果たした強豪チームに移籍したことを指していた。対戦チームはドジャースを独走させないため、常にエース級の投手をぶつけてくるからだ。
大谷が夫人を公開したのは、日本時間3月15日未明。昨年まで日本のバスケットボール女子・Wリーグの富士通レッドウェーブでプレーしていた田中真美子さん(27)である。韓国遠征に向かう航空機の前でのツーショットが自身のインスタグラムで公開されたのだが、ドジャースの公式「X」が同時間帯に配信した「ソウルシリーズツアー」のショットを見ると、MVP争いのライバルとなるベッキーとその夫人が真美子さんと談笑する様子も伝えられていた。
「真美子さんは、得意料理はカレーライスと話していました。大鍋でたっぷり作って、翌日以降は具材や調味料を足して“味変”させるんだそうです」(Wリーグ関係者)
盗塁増プランも味変の影響かもれない今季の大谷は、シーズンが始まったら盗塁にも注目が集まりそうだ。