フランスで大ヒットした高倉健“伝説の名作”が草なぎ剛主演で復活 知られざる2人の関係にも注目

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草なぎと健さんの関係

 草なぎといえば、高倉さんの主演作で遺作となった「あなたへ」(12年)で共演しているが、実はそれ以前から高倉さんを恩人として慕っていた。

 めったにテレビに出ないことで知られていた高倉さんが、SMAPの冠番組「SMAP×SMAP(スマスマ)」(フジテレビ系)の人気コーナー「ビストロSMAP」に出演したのは97年9月のこと(15日放送)。カレーを注文し、緊張した木村拓哉(51)が包丁で指を切ってしまうアクシデントも。それから約11年後の09年4月23日未明、草なぎは東京・六本木の公園で酒に酔って夜間立ち入り禁止区域に侵入。服を脱いで騒いでいたとして、公然わいせつの疑いで現行犯逮捕され、約1カ月、芸能活動休止を余儀なくされた。

 その後、16年1月にSMAPの解散・分裂騒動が勃発したが、同年の「週刊新潮」(1月28日号)に当時、ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の副社長を務めていたメリー喜多川氏(21年没)のインタビュー記事が掲載された。その中で同氏は草なぎの事件を振り返り、「一番嬉しかったこと」として、こう明かしている。

〈その時に健さんは「そういうことはみんなあるんです。彼も悪い子ではないと思うので許してあげてください」と、一番先に手紙を届けていただきました。そればかりか、草なぎ宛ての手紙も同封されていました〉

「以後、2人は文通や電話のやりとりなどを重ね、健さんが草なぎをホテルの部屋に呼んで2人で食事をしたり、草彅を自宅に招き入れたりするなど親交を深め、草なぎは『あなたへ』の出演オファーを快諾したそうです。12年8月には健さんは宣伝のため、香取慎吾がMCを務めていたテレビ朝日の番組『SmaSTATION!!』に生出演を果たし、草なぎも共演しました。健さんのテレビ出演は『スマスマ』以来15年ぶりで、しかも生放送への出演は人生初。草なぎは健さんに対する感謝の言葉を述べ、健さんは『本当は出たくないんだよなあ。映画会社(東宝)が仕掛けたんだよ』と笑わせつつ、香取との共演も約束。今となっては〝神回〟です」(テレビ朝日関係者)

 草なぎは19年12月27日放送のNHK「あさイチ」に生出演した際にも、上述の手紙から高倉さんとの親交がスタートしたことを明かし、共演時の撮影現場を「緊張しすぎて何も出来ないんだけど、何かセリフを言わないといけないし、演技しないといけないしと、今まで感じたことのない中でお芝居をした。でもむしろそれが自然なんだと、健さんの存在感に圧倒された」と、振り返っている。高倉さんとの共演は役者としての大きな糧になったようだ。

 16年末でSMAPが解散すると、17年9月に香取、稲垣吾郎(50)ともに事務所を退所、新プロジェクト「新しい地図」として活動を始めた。テレビ各局や大手映画会社の旧ジャニーズへの忖度でドラマや大作映画への出演がかなわない中にあっても、着実に俳優としてスキルアップした。

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