NHK「のど自慢」は伴奏をカラオケにして1年…担当プロデュ―サーが明かす“予想外のメリット”

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「こんないい番組はない」

 毎週日曜の「のど自慢」は結局のところ、同じ内容しか放送していない。だが、それでもマンネリを感じさせない稀有な番組だという。

「毎週、20組が歌い、鐘が鳴るという同じ構成なんですけど、『日本という国はこんなに歌が好きな人が多いのか』と再認識させられます。そして、出場者の皆さんの『この歌をこの人に届けたい』という強い想いですね。予選に参加される皆さんは様々なエピソードをお持ちで、どなたも出場してほしい方ばかりです。200組から20組を選ぶのは本当に大変です。ちなみに、外国人の出場者で『自分の国にこんな番組はない。あったらいいのに』とおっしゃる方は多いですし、そういう投稿をもらったこともあります。ひょっとすると、『のど自慢』の魅力は洋の東西を問わないのかもしれません」

 コロナ禍の最中は観客を半分しか入れられないなど、番組は紆余曲折を経験してきた。今では“通常運転”になったことが何よりも嬉しいという。

「コロナ禍では、出場者の皆さんに急いで帰宅することをお願いしていたんです。今は一切の“規制”がありませんから、20組で“サークル”が生まれることもあるそうです。先日、チャンピオン大会を放送しましたが、出場するチャンピオンを応援するため他の出場者の皆さんがNHKホールに駆けつけた、なんていうこともありました。手前味噌ですが、こんないい番組はないと思いながら作っています。最近、“あなたの街のみんなのステージ”というテーマを新しく作りました。歌が好きな人で中学生以上だったら、どなたでも参加できます。ぜひ予選会に応募してみてください」

「のど自慢」はカラオケ伴奏、そして年に1回の「チャンピオン大会」は生伴奏──このフォーマットは定着したと考えてよさそうだ。

 前編【1人の出演者から意外な要望が…NHK「のど自慢チャンピオン大会」、生バンド復活の舞台裏】のつづき

註1:NHK「のど自慢」はなぜ生バンドからカラオケになったのか チーフプロデューサーが苦渋の決断を語る(2023年5月12日)

註2:NHK「のど自慢」 番組責任者が明かす“予選会の知られざるカラオケ活用法”(同)

デイリー新潮編集部

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