「川勝知事は“反対のための反対”を繰り返している」 リニア工事を巡って地元首長らもあきれ顔

国内 政治

  • ブックマーク

 東京と大阪を1時間余りで結ぶ「夢の計画」が難航している。リニア中央新幹線の静岡工区が、依然未着工のままなのだ。それは「賛成」を公言しながら、手を替え品を替え建設を阻んできた川勝平太・静岡県知事(75)の“専横”によるところが大きいのだが……。

 ***

 JR東海は昨年12月14日、286キロに及ぶ品川~名古屋間の工事完了時期について、これまでの2027年から「2027年以降」と変更、国に申請した。

「これは事実上の開業延期とみられています」

 とは、全国紙記者。

「問題となっている静岡工区は、南アルプスを貫く形でトンネルを掘ることになる8.9キロの区間。川勝知事はこれまで、大井川の流量減少や生態系への影響を理由に着工を認めてきませんでした」

せっかく築かれた地元のコンセンサスを…

 もっとも、トンネル掘削によって湧水が生じ、大井川上流部の流量が減るという県側の懸念に対しては、

「工事予定地の下流にある『田代ダム』の取水を減らすとの案をJR東海が提案。知事もこの案には『尊重したい』としています。また先月25日にはJR東海と大井川流域10市町の首長との意見交換会が開かれ、地下水など自然環境への影響を調査するボーリングについて、各首長が早期実施を求めました」

 かねて知事はJR側に“静岡の水は全量戻してほしい”と訴えていたが、

「各首長らは“総意”として『田代ダムが取水しない期間中のボーリングで県外に流れた水は、大井川に戻さなくていい』とJR側に伝えました。ところが翌日の会見で知事は『全首長の総意だったか確かめる』と疑い出したのです」

 せっかく築かれた地元のコンセンサスをほごにしようとしているのだ。

次ページ:「反対のための反対」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。