金田正一、仰木彬、落合博満…名監督が暴言で退場! 審判にいったい何を言ったのか?

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最多“退場”記録を更新した金田正一監督

 納得がいかない判定に監督が猛抗議して退場になるシーンは、近年あまり見られなくなった。だが、リクエスト制導入以前には、暴行や遅延行為、そして、暴言を理由に退場宣告を受けることも少なくなかった。あの有名監督はどんな暴言を口にして退場になったのか、記憶に残る場面を振り返ってみよう。【久保田龍雄/ライター】

 暴言による退場で、最多退場回数の日本新記録(当時)を達成したのが、ロッテ・金田正一監督である。

 1991年5月10日の日本ハム戦、ロッテは7回に7対7の同点に追いつかれ、なおも1死一、三塁のピンチ。ここで金田監督は今野隆裕に代えて6番手・永野吉成を投入した。

 ところが、5番・ペイスへの2球目、内角への際どいシュートを山崎夏生球審に「ボール!」と判定されると、金田監督がベンチを飛び出し、「どこ見とんじゃ!何でボールや?バカヤロー!」とまくしたてた。山崎球審が即座に「退場!」をコールしたのは言うまでもない。29年間にわたる審判生活で計17回退場を宣告した同球審にとって、これが1軍で初めての退場宣告だった。

 これにより、金田監督は選手、監督併せて通算8度目の退場となり、藤本定義監督(巨人、阪神など)の7回を抜いて日本記録を達成した。だが、本人は「退場になるとは夢にも思わんかったが、審判もひど過ぎる」と不満たらたら。暴言も退場理由になるということを認識していなかったのだろうか?

 一方、山崎球審は「いきなり“バカヤロー”と来たから、すぐに退場にした。そのあともひどい。“あとで待っていろ、ぶん殴ってやる”とか、散々毒づかれました」と困惑の態だった。

 山崎氏の著書「プロ野球審判ジャッジの舞台裏」(北海道新聞社)によれば、金田監督は後日、「お前、大学出てるんだってな。そりゃ、バカヤローって言ったのはすまんかったのぉ」と謝ったそうだが、続けて、次のように言った。「ヘタクソって言えばよかったな」。それも立派な退場理由になる暴言なのだが……。

 ちなみに、阪神時代の野村克也監督が1999年8月7日のヤクルト戦で一塁クロスプレーの判定をめぐり、人生初退場を食らったのも、「このバカ!」の暴言によるものだった。

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