山田洋次監督ばかりが選ばれる… 日本アカデミー賞の“忖度”説について本人に聞くと
かねがね批判が絶えない日本アカデミー賞。特定の監督や大手映画会社の作品が受賞を重ね、忖度(そんたく)が過ぎるのではないかといわれ続けてきた。今回もその傾向は変わらずで、ならばいっそのこと、同賞の象徴的存在である山田洋次監督(92)に世上の声をぶつけてみた。
***
【レア写真】フィットネスで体力づくり 「吉永小百合」のレアショット(1991年)
1978年に誕生した日本アカデミー賞はこのたび第47回を迎えた。今月8日の授賞式に備えて、各優秀賞は発表を終えていた。
「作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞などの主要な賞はそれぞれ、事前に5作品分の優秀賞の発表を済ませておきます。そして、授賞式当日にそれぞれの優秀賞の中から、最優秀賞がひとつだけ発表される流れになっています。つまり、前もって優秀賞に選ばれたことが、いわゆるノミネートと同じ意味を持っているのです」(映画ライター)
「お決まりを繰り返してきた」
山田監督が手がけた「こんにちは、母さん」は今回、作品賞にノミネートされた。また、同作品に関しては、吉永小百合(79)が主演女優賞にノミネートされてもいる。共に日本アカデミー賞の常連として知られる山田監督と吉永は、今回もご多分に漏れず“御尊顔”を連ねてきたわけだ。
山田監督は昨年まで作品賞に20回もノミネートされ、その内の4回は最優秀賞に選ばれた。監督賞と脚本賞についても同程度の受賞回数を重ねてきた。一方の吉永も昨年まで主演女優賞に20回ノミネートされ、その内の4回で最優秀賞に選ばれている。
映画評論家の吉田伊知郎氏はこう語る。
「山田監督の作品は『男はつらいよ』などのシリーズもの以外、ほぼすべてが作品賞、監督賞、脚本賞のいずれかにノミネートされてきました。そして、数回のうち1回は最優秀賞を取る、というお決まりを繰り返してきた。吉永さんの主演女優賞についても同様です」
[1/2ページ]