AKB48在籍17年、アイドル柏木由紀はなぜ愛されたのか

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“アイドルらしさ”にこだわり

 デビュー当時から柏木を推す男性ファンはこう語る。「初期のAKB48はクラスにいそうな女の子、素人っぽさのある女の子が多いグループだったので、“アイドルらしさ”にこだわるゆきりんは、昔からアイドルが好きだった人たちの心を掴んでいました。僕もよく握手会に通っていたんですが、ハロー!プロジェクトの話題で盛り上がりました。モー娘。ガチ勢なゆきりんだからこそ、アイドルファンは身近に感じられる存在なんです。今でこそアイドル界隈には、“女オタオタ”(アイドルを応援する女性オタクが好きな男性オタク)なんて言いますが、そんな感じにも似ているんだと思います」

“元祖・握手会の女王”と呼ばれ、多くのファンを神対応で虜にしてきた柏木。11年の22ndシングル選抜総選挙では、当時のグループの象徴と言える存在、前田敦子、大島優子に続いて第3位にランクインした。

 王道アイドルの道を歩み続け15年には、39thシングル「Green Flash」で初めて表題曲でセンターを務め(小嶋陽菜とのダブルセンター)、総選挙で自身最高順位の2位を獲得。しかし、この年、男性タレントと抱擁する写真が週刊誌に掲載され、一気にどん底に落とされた苦い過去がある。

 卒業コンサートまで1カ月というタイミングで、AKB48の生みの親・秋元康氏のラジオ番組に出演した柏木が、秋元氏から当時のスキャンダルをイジられる場面があった。

 秋元氏は「柏木は絶対ノースキャンダルだと思っていた」と驚きを振り返りつつ、スキャンダルを乗り越えて活動を続けた柏木を称賛。柏木は「もう私のスキャンダルをイジる人、誰もいない」と大慌てだったが、「私が辞めようと思った時に、秋元さんが話してくれることが無かったら、今の自分は絶対無かった。今でも真っ直ぐアイドルですって言って、ここまでやれたのは当時のアドバイス(をいただけたから)」と回想した。

 前出の柏木推し男性ファンは、「僕たちもノースキャンダル、ゆきりんは絶対に裏切らないと信じていたので、ショックは大きかったです」と複雑な心境を語り、「当時はスキャンダルについて言及することがなく、ずっとモヤモヤしていたのですが、卒業前に秋元先生があの話題に触れたのは、ゆきりんを思ってのことだと感じました。続けるか辞めるか悩んで、スキャンダルという十字架を背負って、ここまで在籍してくれたことには、むしろリスペクトの気持ちすらありますね」と優しく讃える。

 柏木がアイドルファンに愛され続け、AKB48として歩んだ17年間。その集大成となるのが、16日に神奈川・ぴあアリーナMMで開催される卒業コンサート。柏木由紀というアイドルが愛された理由、その答えはコンサートを通じて感じてほしい。

デイリー新潮編集部

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