大谷翔平の結婚会見で見えた「うるさい」日本メディアの特殊体質 「手料理」「子ども」を聞く昭和丸出しの番記者たち

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外見、料理の腕、妊娠可能年齢かどうか……すでに始まっている「大谷選手の妻にふさわしい女性か」をジャッジする異常さ 囲み取材で「うるさい」と発言した大谷選手の警戒心

 羽生選手は図らずも、前妻の情報が地方新聞社から出てしまった。女子アナ同様に人前に立つ職業、かつ年上ということだけで、「アスリートの妻失格」という烙印を押されることに懸念もあったことだろう。大谷選手の会見を通じて、羽生選手はこういう事態がすごく嫌だったのかもしれない、それがあの超秘密主義につながったのかもしれない、と思ったのである。つまり問題は、お相手の特定以上に、無関係な人々の勝手なジャッジなのではないか。

 大谷選手のお相手の特定もすでに始まっており、かわいいとか運動能力がどうとか、「お似合いの相手かどうか」と私たちはつい盛り上がってしまう。

 お似合いだ、と褒める分ならいいじゃないかという意見もあろうけれども、無関係の人間が大谷選手の結婚相手をアリかナシかジャッジすること自体が失礼であるという視点も必要だろう。まして、「運動エリートの子どもを産んでほしい」などと言うことも。三歩下がってアスリートを支えるべきは彼らの妻ではなく、わたしたちメディアやお茶の間の視線なのだということを、改めて考えさせられる。

 大谷選手は結婚発表の理由を「(メディアが)うるさいから」と一笑に付していたが、表情にはごちゃごちゃ言ったら許さないよという本気さがうかがえた。選手夫人たちが集うチャリティーイベントで新妻を初お披露目するのではとみられているが、厳しくジャッジされるのはお相手ではなく日本メディアの方なのだろう。まだまだ大谷結婚フィーバーは続きそうだが、あまりにトンチンカンな質問を繰り返していては、日本メディア出禁という「伝家の宝刀」を抜かれても文句は言えなくなってしまうのではないだろうか。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

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