佐々木麟太郎 スタンフォード大監督は彼のどこに惚れ込んだのか 学費全額免除の真相
必ず卒業する
米国の大学野球は各州でリーグ戦を行う。リーグ戦に向けて朝から晩まで野球漬けになる期間もあるが、「勉強はやらなくても良い」ということにはならない。スタンフォード大学には工学部、地球・エネルギー・環境学部、教育学研究部、法学部などに加え、65を超える専攻がある。特に同大学の経営大学院は米国でも「超」の付く難関で、社会人の実務経験を持つ人を対象としたコースが主流とされている。佐々木が最終的に進む学部・専攻は未定だが、
「スポーツエリートでも講義には出なければなりませんし、課題レポートの提出もあります。通訳は付かないと聞いています」(前出・関係者)
野球では細かな指導を受けてきた分、米国の学生よりも有利となるが、勉強では苦労することになりそうだ。もっとも、米国大学への進学について、佐々木の背中を押したのは実父でもある佐々木洋監督だった。父の目には息子・麟太郎の肉体的成長は止まっていると映っていた。ならば、体力強化にむけた練習の多い国内よりも、技術指導に重点を置く米国のほうが適していると思ったそうだ。
「スタンフォード大学出身のアスリートといえば、ゴルフのタイガー・ウッズ(48)、アメフトの伝説的なクォーターバックとして知られるジョン・エルウェイ(63)などが有名です。ヤンキースで引退したMLB通算270勝のマイク・ムシーナ(55)もOBです。文武両道の大学で知られており、単にスポーツの育成プログラムに優れているだけではありません」(前出・米国人ライター)
佐々木は「2年後か3年後のドラフトで指名を頂ければ嬉しい」と抱負を語る一方で、ドラフトにかかってMLBでプレーしても、オフシーズンに単位を取れることを明かし、こう語っている。
「野球人生が終わった後でも努力すれば卒業までいける。最終的に卒業したい」
野球記者の間では有名だが、花巻東高の校門前には二宮金次郎像がある。ウッズたちも在学中は勉強との両立に苦労したようだが、佐々木も野球用具を背負って教科書を読み込む毎日となりそうだ。
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