ガーシー被告の執行猶予付き判決に「納得いかない」と話す被害者の思い 記者の名刺を晒して“信者”に「イタ電を指示した」狙いは?
記者を晒した狙いは
初日に50件だったイタズラ電話は日に日に増えていった。途中から数えるのをやめたが、約2ケ月間で数千件は入ったと思われる。毎朝起きるとホーム画面に不在着信が「200」(それ以上は表示されない仕組みだった)と表示される日が2週間くらい続いた。ほとんどが非通知設定からのものだった。
実行には移されなかったが、「こいつの家族構成から全部やる」とも脅迫された。
記者を晒し者にしたのは、これ以上自分に批判的な報道が出ないようメディアを萎縮させることが狙いだったと思われる。事実、記者自身も家族への影響を考えて一時、続報を書くことをためらった。メディアが一斉に東谷被告を批判的に取り上げ始めるようになったのは、それから1ケ月以上経過した22年12月下旬、警視庁が東谷被告に任意の事情聴取を要請してからのことである。
被害者は著名人、詐欺トラブルの被害者、実業家など30人以上にのぼる。東谷被告はドバイという安全地帯で9ケ月もの長きにわたり、優雅な暮らしを楽しみながら信者たちにSNSいじめを指示し続けた。国会議員という公職につきながらである。
なぜ卑劣な犯罪が堂々と行われていたのに、食い止めることができなかったのか。いま一度考える必要がある。