「どのスポーツでもプロになれる感覚があった」 水谷隼が卓球を選んだ意外なワケ(小林信也)
負けた夢は吉兆
リオ五輪で水谷は男子団体で銀、男子シングルスで銅メダルを取り、男子への注目を高めた。そして、東京2020での金メダル。
「選手生活で最も印象的なのはやはり金メダルの瞬間です。夢をかなえた幸せな瞬間、28年間の集大成です。夢の中では何十回も見ていた。目が覚めて、ああ夢かと思う。あの時は、今回も夢じゃないか、本当だったらいいのになあ、そんな感じでふわふわしていた」
全日本選手権など大会前にはよく夢を見た。優勝した夢も、負けた夢も。
「負けた夢を見た時の方が、いい結果が生まれることが多い。人生終わったなと思って目覚めると、あ、夢か、もう一回チャンスがあると。命拾いした感じで気が引き締まるからでしょうか」
東京五輪の間は夢を見なかった。大会が始まる少し前にそういえば見たという。
「優勝する夢でした。でも確か団体戦で金メダルを取る夢。混合ダブルスの夢は見なかった」