日本企業のチャンス?安倍元首相不在の影響は?総合商社が備える「トランプ大統領」誕生後の意外なシナリオとは

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 国際舞台から退場させられた怪人が、4年ぶりに戻ってくる。今秋の米国大統領選に先立ち、民主・共和両党は候補者選びの只中にあるのだが、トランプ前大統領が共和党候補となるのは確実で、本選勝利も見えてきた。「もしトラ」で一体、日本経済はどうなるのか。(以下は「週刊新潮」2024年3月7日号掲載の内容です)

本戦もトランプ氏優勢

 共和党候補に選ばれ、本選に臨むことになるとみられるトランプ氏。続く現職との一騎打ちでも、やはり分があるのだという。さる在米ジャーナリストによれば、

「政治サイト『リアル・クリア・ポリティクス』が各種世論調査を平均して算出したデータによれば、トランプ氏が優勢な状況は昨年11月以降、続いています。バイデン氏との対決となった場合のトランプ氏の支持率は3月11日時点で47・7%と、バイデン氏を2・0ポイント上回っています」

 とはいえ、トランプ氏の存在そのものが常識破りといっても過言ではない。“予測不能の暴君”が国際舞台にカムバックするとなれば、誰しも「もしトラ」(もしトランプが返り咲いたら)と、身構えざるを得ないのだ。

日本企業のチャンスも

 では、実際に日本企業はどのように「もしトラ」に備えているのだろうか。昨今、円安も手伝って過去最高益を更新するなど、軒並み好調な大手総合商社の関係者は、

「中国に強硬姿勢をとるバイデン大統領よりもトランプ氏はさらに踏み込み、半導体や鉄鋼など重要品目を締め出し、デリスキング(リスク軽減)で進むサプライチェーン再構築が一段と加速する可能性があります。これは日本にとってはチャンスで、米中の繋がりが切れれば、円安なども背景に日本国内への投資が増える流れになるかもしれません」

 としながらも、

「中国との競争関係を重視する米国にとって、日本の重要性は変わりません。ただし前回の安倍晋三元首相のように、トランプ氏と関係を保ちながら渡り合える人材が見当たりません。米国の対日貿易は赤字であり、全世界10%関税構想も含め、不利な交易条件を突きつけられるおそれはあります」

 そんなトランプ氏の「米国ファースト」が、すでに目に見える形で進んでいるのが、日本製鉄による米鉄鋼大手「USスチール」の買収案件だ――。

 有料版では、複数の専門家による「もしトラ」の分析だけでなく、総合商社や金融機関が危ぶむシナリオとそれに対する備え、そしてUSスチール買収案件の展望など、日本経済に及びうるあらゆる影響について多面的に詳報する。

デイリー新潮編集部

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