「代表のコーチにしようとしたが…」 小野伸二の取り合いでJリーグに負けた宮本恒靖サッカー協会新会長

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 小野伸二(44)といえば、1998年フランス大会からW杯に3大会連続で出場した“サッカーの天才”。昨年引退を表明し、コンサドーレ札幌で現役生活に終止符を打ったが、実は引退後の彼を巡り、日本サッカー協会(JFA)とJリーグ機構との間で激しい綱引きが繰り広げられていた。

「JFAは、彼にA代表の“ロールモデルコーチ”になってもらおうと画策していたのですが……」

 と協会関係者がささやく。ロールモデルコーチとは、合宿などに帯同し、選手とコーチの間のつなぎ役を担うアニキ的存在。選手たちと年齢が近く、かつスターがひしめく代表の面々が一目置くレジェンドであることが求められる。アンダー世代では元代表の内田篤人や中村憲剛が務めているが、A代表では創設された昨季以来空位が続いている。

「引退直後の中村俊輔にオファーしたものの、名波浩コーチとの確執があったためか断られてしまいました」

「引き続き空位が確実に」

 小野と同時期に引退した遠藤保仁(44)も有力候補だったが、彼は引退と同時にガンバ大阪のコーチに就任したため、的は小野に絞られた。ところが、である。

「札幌の元会長で、小野をことのほかかわいがっていた野々村芳和Jリーグチェアマン(51)が、JFAより先に小野の引退を察知し、先に小野にツバを付けてしまったのです」

 1月26日、Jリーグは臨時理事会で野々村チェアマンの再任と併せ、小野の特任理事就任を内定。いずれも3月19日の社員総会で正式決定される。ちなみに、

「小野は将来、野々村さんの後継としてJリーグチェアマンに就任する可能性も出てきました」

 一方、鳶に油揚げを攫われた格好のJFAは3月に会長が交代する。新たに会長になるのは、2002年日韓大会からW杯に2大会連続で出場し、06年ドイツ大会では主将を務めた宮本恒靖(47)である。

「A代表は3月、W杯2次予選の北朝鮮戦2試合を前に合宿を行いますが、ロールモデルコーチは引き続き空位が確実に。宮本新会長は着任早々つまずく形となってしまいました」

 いわば開始早々の失点。今後は厳しい試合展開、もとい協会運営となりそうだ。

週刊新潮 2024年3月7日号掲載

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