糞尿だらけの室内に閉じ込められ…千葉で発覚した猫の虐待死 背景にある「社会問題」とは

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 2021年には猫を空気銃で撃って死なせた男が逮捕、昨年には切られた猫の頭部が連続して見つかるなど、猫に対する残虐行為が疑われる事案が相次ぐ千葉県。今度は劣悪な環境に閉じ込められた猫が死体として見つかるという、悲しき事件が新たに発覚した。その凄惨な実態と、背景にある「空き家問題」とは――。

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糞尿にまみれたごみ屋敷に……

 首都圏で解体業を営んでいる第一発見者が、ことの経緯を説明する。

「先月、千葉県内にある一軒家について、不動産会社から見積もり額算出のための調査を依頼されたときのことです。現場を訪れてみると、建物からは異臭が立ち込め、外から見てもわかるほど、内部は荒れていた。その時点でかなり怪しいなと思ったのですが、いざ入ろうとすると、糞尿の匂いがあまりにもきつく、とても入れる状態ではありませんでした」

 そこで後日、防臭マスクなど厳重な装備を身につけた上で再訪したところ、

「中は“ごみ屋敷”というレベルを超えた荒れ具合で、決して生き物が住めるような空間ではなかった。そんな中で、衰弱しきった猫8匹と、白骨化しかけている猫の死体を見つけたんです。部屋自体がごみや糞尿で溢れていて、猫が飲んでいたであろう水も汚れていましたから、本当に凄惨な現場でした。ただ、猫用の缶詰のゴミが大量に放置されていたので、少量のエサだけは与えられていた形跡がありました。こうした状況からして、もともとの飼い主が故意に室内に閉じ込め、まれにエサを与えに来るだけという、ひどい虐待行為が行われていると感じました」

繰り返される動物虐待

 県内で猫の保護活動を行っている一般社団法人10Lives Mihama Neko代表の佐々木由紀子氏が話を引き継ぐ。

「第一発見者の方から連絡を受け、生存している猫を保護させていただくことになりました。どの子もやつれて水下痢がひどく、毛が抜け、骨が見えるほど痩せこけている状態の子まで……。動物虐待罪に該当する事案であると考え、警察に通報しました。その後所有者とも連絡がついたようで、現在捜査を進めていただいているところです」

 保護された猫たちは3つの施設に分かれて治療を受け、元気を取り戻しつつあるという。しかし、「これで一件落着ではない」と佐々木氏は強調する。

「仮に飼い主が逮捕されたとしても、現行の法律では、罰金を払って終わってしまうことでしょう。ですが、それではまた同じことが繰り返されかねません。実際、千葉県だけで見ても猫の虐待は多発していて、昨年には猫の頭部が発見される事案が複数発生していましたし、21年には空気銃で猫を撃って死なせた男が逮捕されていました。また、今年にうちのスタッフが見つけた中には、お腹がパンパンに膨れ、目玉が飛び出している死体もありましたから、報じられていない中にも、虐待が疑われる事案はかなり多いと感じます」

 そしてこう続ける。

「『酒鬼薔薇聖斗』の事件や、19年の『茨城一家殺傷事件』のように、猫への残虐行為が殺人に繋がったケースだってあるわけです。動物への虐待も、決して軽視していい問題ではないと思っています」

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