東大「現役合格率」1位に躍り出た神奈川「聖光学院高」 “塾いらず”で大躍進の裏にある「有名進学塾講師を凌駕する教員レベル」
「受験勉強は高2以降」
学校教員の教える力が「有名進学塾の講師に匹敵する」理由を、前出の受験誌編集者がこう話す。
「聖光は中高6年間を3つの段階に分け、高校1年生までは向学心や自立性を育てることに力を置き、本格的に学業に専念させるのは高2以降とされます。そのため6年間にわたって先生と生徒がじっくり向き合うことができ、互いの信頼関係やコミュニケーションが深まる要因となっている。勉強は奨励しますが、その分、先生の面倒見も良いため、生徒の学習意欲が削がれることはないと聞きます」
そんな熱量を持った教員が集まるのも、“のびのびと生徒を育てつつ、勉学の醍醐味も教える”といった独特の校風に惹かれての部分が大きいという。同校の校長自身、「生徒一人ひとりの名前を覚えている」(保護者)とされ、行き届いた目配りと風通しの良さでも定評があるとか。
「今回の躍進で、高校教育の現場では今後、“聖光スタイル”が主流となっていく可能性も指摘されています。頭ごなしに『勉強しろ』という時代から、自発的に生徒が勉強に向かう環境をつくりあげる――。過熱する受験戦争に新風を吹き込む“革命児”として、聖光学院の存在感はさらに増していくのではないか」(同)
すでに開成や麻布を蹴って、都内から聖光に通う生徒も増えつつあるという。盤石に見えた名門進学校の「勢力図」にも変化が現れている。