萩生田光一氏に党内から“敵前逃亡”の声 「政倫審から体よく逃げ切った」

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萩生田氏の指導力不足

 2選挙区が厳しい見通しの中、比較的自民党が有利とみられるのが東京15区だ。昨春の江東区長選における買収事件による、柿沢未途前衆院議員の辞職を受けた補選だが、日本維新の会、共産党が候補を決めたほか、立民と都民ファーストの会も擁立を模索中。野党の足並みが乱れている。

 が、自民党都連幹部いわく、

「見通しは決して明るくなんかありません。この逆風下では勝てないと諦めたのか、誰も出馬に手を上げないんですからね」

 背景には、都連会長を務める萩生田光一前政調会長の指導力不足を問う声が。

「都連内には萩生田さんの“子分”で、昨春の江東区長選に出馬した山崎一輝元都議を推す声が少なくない。本人は“国政はイヤ。都議に戻りたい”との意向ですが、萩生田さんが説き伏せれば済む話。ダメなら会長の責任で、別の有力候補を引っ張ってくるべきです」

“敵前逃亡”の声も

 裏金事件を受けて、各地で安倍派議員の県連会長の辞任が相次いだ。ところが都連は、2月16日に萩生田氏の会長続投を決めている。なぜなのか――。

「本来は萩生田さんも身を引くべきでしたが、今年は都知事選、8選挙区での都議補選が控える“選挙の当たり年”。自民党への批判が収まらない中、彼の後任を引き受ける議員は見つからず、やむなく今後も萩生田さんに任せることになった。そもそも、自分がまいたタネでもありますしね」

 とはいえ、萩生田氏への不安と不満は増すばかりだ。自民党幹部も肩をすくめる。

「政治倫理審査会(政倫審)には、安倍派の“5人衆”の一部を含む事務総長経験者が対象になったけど、萩生田はそこから外れたでしょ。裏金の額は2700万円と派内で突出しており、当初は出席を示唆していながら、体よく逃げ切った格好だ。党内では“男らしくない”“敵前逃亡”と批判の声が上がっているよ」

 2月23日、本人は自身のメルマガで釈明していた。

〈党としては各派の事務総長経験者の出席で人数を絞って中身のある審議をする事とし与野党で合意をしたようです〉

 国民的な政治不信の招来も他人事。風前のともしびは岸田政権より、この人だろう。

週刊新潮 2024年3月7日号掲載

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