「4億円超」資金移動問題で窮地…やる気のない茂木幹事長が完全孤立で呆れられている

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“不戦敗の方がいい”

 先の自民党関係者が解説する。

「茂木さんはかねて“3区に候補者を立てるべし”という主戦論者でした。しかし、3区は谷川弥一前衆院議員が裏金問題で辞職している上、『10増10減』で次期衆院選の長崎県内の選挙区が4つから3つに減るため、今回、候補者を擁立して当選しても、次の選挙では小選挙区で出馬できない。そうした事情もあり、党幹部の間では早々に“不戦敗の方がいい”という意見が大勢だったのです」

 たった一人、反対論をぶっていたのが茂木幹事長だったのだ。

「政治とカネの問題が燻り、党本部としても、勝ち目は少ないと見ていました。なのに、なぜ茂木さんは主戦論を唱えていたのか。“茂木さんに正確な情報が入っていないのでは”と訝しがる声もあったほどです」

 自民党は選挙にあたり、世論調査をかけるのが通例。その重要な数字を握っているのは、党の事務方幹部である。

「茂木さんはその事務方幹部とも決定的に仲が悪くなっています。代わりにその幹部と頻繁にやり取りしているのが森山さんで、森山さんに色んな相談をしているのが、選対委員長の小渕さんなのです。で、この3人は長崎3区への擁立に反対。つまり、党内で『事務方幹部・森山・小渕vs茂木』という構図が出来上がってしまっているのです」

 そこへ先の読売新聞の報道である。

島根1区はかなり劣勢

「読売と言えば、茂木さんに最も近いメディアとして知られています。その読売が“擁立見送り”について触れたことで、幹事長も白旗を挙げたのかと話題になっています。実際、茂木さんはこの長崎3区擁立に向けてのトーンがここ最近、急激に落ちています」

 すると、三補選は長崎3区が不戦敗で東京15区も自民党候補が立てられるかわからない状態となり、与野党対決が実現するのは島根1区のみ、という可能性もある。

「島根1区は前衆院議長の故・細田博之さんの後釜として元財務官僚が立候補する予定です。しかし、現状では、自民候補が野党候補に比べかなり劣勢だと見られています。すると、3つの選挙区でどこも勝てないという状況もあり得る。それを機にサボタージュが過ぎる茂木さんの責任を追及すべきだ、という声が官邸や党内から上がり始めているのです。実際、党幹部でも茂木さんを擁護するのは麻生太郎副総裁くらいでしょうしね」

デイリー新潮編集部

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