「4億円超」資金移動問題で窮地…やる気のない茂木幹事長が完全孤立で呆れられている
「サボタージュ」が過ぎる
政権与党の要、自民党の幹事長である茂木敏充衆院議員が自身の「4億4000万円問題」で猛批判を浴びている。
問題を詳しく報じたのは3月4日夕方の朝日新聞デジタル。茂木幹事長の政治資金管理団体「茂木敏充政策研究会」から使途公開が厳しく義務付けられていない政治団体「茂木敏充後援会総連合会」に対し、巨額の資金を移動させ、支出の具体的内容を公開しないことで、透明性の低い政治資金の処理をしていたのではないか、という問題だ。移動させた資金の額、後に報じられたところでは14年で4億4000万円。
しかも、茂木幹事長は最近とみに評判が悪い。昨今の国会運営で「サボタージュ」が過ぎる、と話題になっているのだ。
2月29日と3月1日の2日間にわたり、安倍派幹部らが出席し、開催された政治倫理審査会。開催前、その出席者を巡り、党内が混乱に陥った。原則、非公開である政倫審を公開するかどうか、また、誰が出席するかで、野党との調整がつかなかったのである。
「本来であれば、茂木さんが前面に出て調整すべきところ、全く関与せず、夕方になると早々に議員らと飲みに行ってしまう。茂木さんはいま岸田総理と決定的に関係が悪くなっており、次の総裁選にも出る気満々。総理を助ける気は毛頭ないのでしょう。代わりに調整に奔走したのが、森山裕総務会長でした」(政治部デスク)
だが結局、政倫審騒動を収めたのは、岸田総理の“鶴の一声”だった。岸田総理自身が政倫審に出席することを表明したのだ。森山氏にすれば、いきなり総理が出てきてしまったことで調整を続けていた自身の面子を潰された格好になる。このため、永田町では“森山さんが総理に怒っている”という話が流れた。
“これは幹事長の仕事だよな”
自民党関係者が言う。
「森山さんはそうした話が出ていることに困惑していましたね。確かに、総理が出張ってきたことで“え?”と思ったかもしれませんけど、それを表立って周囲に言いふらす人ではない。むしろ、森山さんの怒りは茂木さんに向いているのでは。そもそも、今回の件でも茂木さんが何もやらず、森山さんが泥を被ることになったわけですし」
その対立はいまに始まったわけではない。
「2月、党本部は裏金問題で関係のあった議員に対し、聴取を行いましたが、その座長を担ったのが、森山さんでした。でも、なぜ森山さんがやらなければならなかったのか。さすがの森山さんも“これは幹事長の仕事だよな”と呆れかえって周囲に漏らしていました」
茂木幹事長は岸田総理のみならず、党幹部との関係も悪化し、孤立を深めているというわけだ。しかも、裏金問題や政倫審の対応に加え、長崎3区の補選を巡っても対立しているのである。
4月28日の投開票が予定されているのが、東京15区、島根1区、長崎3区の三つの衆院補選である。その中のひとつ、長崎3区の補選について、6日に掲載された読売新聞の記事が永田町で波紋を呼んでいる。
〈長崎3区補選 自民見送り論〉
3月5日に長崎県連の幹部と茂木幹事長、小渕優子選対委員長が補選の対応について面会し、結論は出なかったものの、擁立見送り論も出ているという趣旨の記事だ。
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