岸田首相との「分断」が進む麻生副総裁と茂木幹事長の狙いはどこにあるか
メディア上層部との会食
「議員引退後も政界に影響力を保持してきた青木幹雄氏(2023年死去)からは、派閥のボスとして正式に認められないという異常事態が長らく続きました。首相の派閥解消宣言の後は、青木氏が派閥を継がせたかった小渕優子選対委員長ら脱退組が続出し、茂木氏の神経を逆撫でしていることでしょう」(同)
岸田首相が派閥解消を訴えても、派閥を拠り所にすべく振る舞ってきた茂木氏としては好ましくない状況だろう。
「茂木氏はメディアの上層部と会食をするのが好きなのか、結構な回数を重ねています。茂木氏について本音の部分でどう思っているかに関係なく、自民党の幹事長の誘いとあれば欠席という選択はありません。そして、その場に臨むメディアの面々は茂木氏をそれなりに持ち上げるそうです。実際、茂木氏はある部分では優秀ですが、他人には厳しく自分には甘い。そのためそんな社交辞令を真に受けて、“次の首相の座も近い”と勘違いしてしまっているようです」(同)
実際には、むしろ首相から遠ざかっているというのが衆目の一致するところのようだ。
麻生氏の思惑
一方で、三頭政治の一角を担ってきた麻生氏についてはどうか。
「麻生氏は自民党が政権を奪還した2012年からずっと主流派のど真ん中で来ただけに、そのポジションを失いたくないという思いが強いようです。そのために誰を担げば良いかという判断を間違えるわけにはいかないということですね。候補はたくさんいるものの決定打に欠けるので、今は様子見の状況でしょう。首相との距離もそれほど広がっていないと見られています。ただ、主流派を狙っているという意味では菅義偉前首相も同じですがね」(同)
派閥に対する厳しい世論から目を背け、何とかトップに登りつめようとする「一頭」。
とっくにトップを経験して金も名誉も手に入れたのにいまだ生臭さばかりが目立つ「一頭」。
その「二頭」と距離を置き、捨て身の方針を打ち出してもまったく人気が出ない「一頭」。直近では、広瀬めぐみ参院議員の「赤ベンツ不倫」が発覚するなど、身内から足を引っ張られ続ける日々が続く。
三頭体制の崩壊は政権の崩壊につながるのだろうか。
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