携帯料金を最も“搾取”されている都市はどこ? 家計調査でわかった意外な事実

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全国平均より3割も高い都市が

 総務省が発表している2023年度家計調査結果によると、年間の携帯電話通信料の支出額が最も高いのは高知市で14万9435円。これは全国平均の129%、つまり3割も高い。高知市に続くのは、富山市13万4504円、松江市13万3392円だ。

 同調査は、2人以上の世帯を対象としているため、単純にひとりぶんの金額を出すことは難しいが、最下位の神戸市8万5185円と比較するとその歴然とした差がわかるだろう。

 高知市の2023年の年間総支出額は353万8471円であり、携帯料金はそのうち約4.2%を占めていることになる。一方の神戸市は、年間総支出額335万8572円に占める携帯料金の割合は約2.5%だ。

価格差のワケは…

 このような価格格差が発生する理由は、なぜなのか。スマホ・ケータイジャーナリストの石川温氏はこう指摘する。

「端的に言えば、地方では未だに高いプランに入っているということです。プランの切り替えができない高齢者に、販売側は『らくらくスマホ』をすすめたり、さらに大してスマホを使わないシニアにデータ使い放題プランを契約させたり、iPhoneなのに非対応のSDカードをセットに売ったりなど不必要なオプションをつけているのが現状です。携帯料金が大幅に引き下げられた今、そのような不要なオプションやプランを払う高齢者によって大手キャリアは支えられています」

 物価高が収まる兆しもなく、爆発的な賃上げも期待できない現在の日本。そのなかで生き延びるためには、いかに固定費を下げるかが必要だ。令和おじさんの置き土産をフルに活用してほしい。

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
消費経済アナリスト、流通アナリスト、コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務など幅広く活動中。フジテレビ「FNN Live News α」レギュラーコメンテーター、TOKYO FM「馬渕・渡辺の#ビジトピ」パーソナリティ。近著『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(フォレスト出版)。

デイリー新潮編集部

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