携帯料金を最も“搾取”されている都市はどこ? 家計調査でわかった意外な事実

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 今や生活必需品となった携帯電話。老若男女問わず、スマホで電話やメール、SNSを使い、コミュニケーションから買い物までを済ませている。

 “インフラ”となり、固定費と化した携帯電話通信費は家計にのしかかる。いかに値段を抑えるか躍起になっている人も多いだろう。

 かねて、日本の携帯料金は高いと言われてきたが、現在の状況に至るまでは40年ほどの歴史がある。以下、ざっと振り返っておこう。

3社によって市場が固定化

 1985年の日本電信電話公社の民営化と、それに伴って施行されたNTT法により、電話事業へ民間企業の参入が可能になった。これにより、市場での競争が促され、結果的にau、ソフトバンク、ドコモの3強が生き残った。しかし、3社によって市場が固定化し、料金が高止まりしていたのである。

 この拮抗を崩したのが、2020年に誕生した菅義偉政権だ。「携帯料金は4割程度下げる余地がある」と発言した菅前首相は、各社に価格の引き下げプレッシャーをかけ、そして楽天モバイルの新規参入を促した。カンフル剤によって価格引き下げを断行したのだ。これによって、携帯キャリア各社は2000円台の新プラン(月20GBなど条件あり)や格安ブランドなどを開始し、大幅に携帯料金が引き下げられたのである。

 実際、総務省の電気通信サービスに係る内外価格差調査(令和3年度)を見れば、その効果は抜群だったと言えよう。

 世界主要6都市(東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ソウル)のなかで、東京の月額料金は8175円(2019年度、月20GBなどの条件)でトップだったが、2020年度は2973円、2021年度は2972円と大幅に減少。ちなみに、2021年度、最も高いのはデュッセルドルフの7929円で、ニューヨークが7480円と続いている。

 一連の携帯料金の値下げは菅政権の大きな成果であり、現在の物価高を鑑みれば、この政策がなければ国民生活はさらに圧迫されていただろう。賛否あった菅政権だが、筆者は携帯料金の値下げこそ、最大の功績であり、もっと評価されてもいいと思っている。
 
 しかし、この値下げの恩恵は、全国ですべからく波及しているとは限らない。

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