「全壊した蔵の瓦礫から酒米と一升瓶を探し出して…」 能登大震災“被災酒蔵”を救った「天狗舞」、コラボ酒に込めた想いとは
「震災直後は廃業もやむなしと考えていました」
能登半島地震で全壊した石川県珠洲市の酒蔵に、同じ石川県の有名酒蔵が手を差し伸べた。被災し廃業の危機に直面した櫻田酒造に対し、天狗舞で知られる車多酒造が酒造りの場を提供することなどで廃業を防いだのだ。この異例の取り組みに込めた思いを、櫻田酒造・櫻田博克社長と車多酒造の車多一成社長に聞いた。【華川富士也/ライター】
珠洲市の櫻田酒造は「大慶」「初桜」銘柄が地元・能登で古くから愛されてきた酒蔵。家族経営の小さな会社で、今年1月1日の能登半島地震では、櫻田博克社長と家族の命は守られたが、酒蔵、貯蔵庫、店舗、住居が全壊。...