ソフトバンクが“世界の原石”を発掘する狙いとは…NPB初、アフリカ2選手をテスト201センチの16歳右腕に「佐々木朗希みたいになれる可能性はある」

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「ドラフト1位レベルです」

 これまでウガンダ出身の選手がNPB球団に入団したケースはない。そんな中で、ソフトバンクが、こうした“世界の原石”に着目し始めた理由を松本国際部長は「メジャーリーグの年俸の高騰と日本との給料の格差、さらに日本のレベルアップもあって、最近は米国の選手が日本に来て、即チームの柱になって活躍をしてくれるというのが年々減ってきている」と現状の“助っ人事情”をその一つに挙げる。

 さらに「米国から有力な選手を連れてくることは継続しつつも、もう一つ別に、若くて素材のいい選手をスカウトしてきて、我々の育成システムに入ってもらって、育てて、1軍に送り出す方が一流の選手が育つ可能性があるんじゃないかというところにシフトしています」と説明する。

 ソフトバンクでは、育成からリバン・モイネロが主力投手に成長した例がある。現状の育成選手でも、外野手のホセ・オスーナは2年目の17歳だが、いとこは2020年にアトランタ・ブレーブスで本塁打、打点の2冠王に輝いたマーセル・オスーナ。その血筋の良さからか、パワーやスピードには目を見張るものがあり「17歳とは思えない。日本なら高校生ですから、それこそドラフト1位レベルです」と永井智浩・編成育成本部長。

 さらに、メキシコ出身で来日3年目、19歳ながら最速152キロの左腕、アレクサンダー・アルメンタ、同じく3年目の24歳で最速159キロを誇る右腕、ドミニカ共和国出身のマイロン・フェリックスの2投手は、今年2月のキャンプで宮崎のB組に抜擢されるなど、すでに“萌芽の予感”も漂ってきている。

世界の逸材を獲得して育てていく

 2024年2月のキャンプインの時点で、ドミニカ共和国、キューバ、メキシコから計7人の育成外国人選手が在籍しているが、ソフトバンクはここからさらに、ヨーロッパ、アフリカ、アジアにも視野を広げる計画だという。

 今年から、ソフトバンクでもプレー経験のある台湾出身の元内野手・李杜軒スカウトを母国・台湾に駐在させるのは、台湾の逸材たちが米メジャーへ流出するケースが多いことに着目し「そうした有力な選手を獲りたい」と永井本部長。全世界にアンテナを張り、世界の逸材を獲得して育てていくという新たな“育成のフェーズ”に入り「そのために4軍を作ったともいえます」と、永井本部長は語る。

 ウガンダには、大谷翔平の所属するドジャースがアカデミーを置いてスカウティングの拠点とし、最近でもそのドジャースと4人、パイレーツとも1人が契約するなど、ウガンダはアフリカ諸国の中でも、身体能力の高い選手が多いともいわれている。

 ただ、デンの場合、まだ本格的な強度の高い練習やトレーニングをしたことがなく、現状の実力的にはプロレベルには程遠い。

 プロ球団の練習についていけるのかという懸念も拭えないのは事実で「こちらもプロの球団ですから、そうした現状のレベルと将来の可能性をどう考えるのか。そこは難しいですね」と永井本部長。学校教育や引退後のセカンドキャリアも含め、今後の育成外国人獲得へ向けて、検討すべき課題も多いのは確かだ。

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