“芸能界のドン”田邊昭知氏が会長に転身 過去に数々の女優と浮名を流した「人心掌握術」とは
「早期退職を推奨」
さる芸能プロ関係者はこう話す。
「2月下旬、テレビ局や芸能プロ幹部など業界関係者に、田辺エージェンシーから社長交代を告げる手紙が一斉に届きました。会長に退くとはいえ代表権はそのままのようですから、今後も芸能界への影響力は残るでしょうが、『ブラタモリ』の終了が発表された直後でしょう。昨年、田邊さんは創業以来付き合いのあった税理士事務所との契約を打ち切り、子飼いの社員に向けて“退職金を弾む”といって早期退職を推奨。実際に秘書や運転手、ファンクラブの事務などを務めていた社員たちが5人辞めて、残ったスタッフは10人にも満たないそうなんです。堺さんの独立騒動もありましたからね。このまま店を畳むつもりなんじゃないかと訝しむ人もいます」
ここで言う「堺さん」とは、大ヒットドラマ「半沢直樹」(TBS系)の主演・堺雅人(50)を指す。下積み時代から20年以上も田辺エージェンシーに在籍しながら、22年末に独立。昨年1月、本誌(「週刊新潮」)取材に応じた田邊氏は初めてことの顛末を語り、語気を強めて「もう一緒に仕事なんてできないよ」と突き放した。
新社長の手腕に疑問の声も
看板俳優の独立に加え、これまで屋台骨を支えてきたタモリまでもが活躍の場を狭めるとなれば、同事務所に残るベテランは永作博美(53)だけとなる。業務提携を結ぶ芸能人には研ナオコ(70)や由紀さおり(77)の名もあるが、大手芸能プロとして心もとない布陣なのは否めない。
しかも、である。“ドン”の後継として新社長に就任した菅原潤一氏(77)の手腕を疑問視する声も聞こえてくるのだ。田辺エージェンシーのグループ企業で、前田亘輝がボーカルを務めるTUBEなどが所属する芸能プロ「ぐあんばーる」の社長を兼務する菅原氏は、もともと田辺エージェンシーの社員だった。
先の関係者が明かすには、
「菅原さんが辞めたのは40年も前のことですが、タモリさんのギャラを着服しているのではないかとの疑惑を社内で追及されるタイミングで姿を消したとか。それを知ってか知らずか、田邊さんは退社後の菅原さんと関係を続け、いまだ芸能の仕事に携わる数少ない元社員として、今回の後継指名となったわけです。昔を知る人の中には、本当に田邊さんの後を継げるのか首をかしげる向きもあります」
そもそも田邊氏が“ドン”として芸能界でカリスマ力を誇ってきたのは、自らが一時代を築いた自負があるからに他ならない。1961年にグループ・サウンズ(GS)バンド「ザ・スパイダース」を率いて芸能デビューを果たした田邊氏は、メンバーの井上順(77)や堺正章(77)、故・かまやつひろしらと「GSブーム」の先駆者として音楽界を席巻。ザ・タイガースと人気を二分した。66年にはスターの活動を続ける傍ら、芸能プロ「スパイダクション」を立ち上げて社長となる。
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