シェアサービスが突如終了で大炎上…「高級時計を他人に貸すなんて論外」と語るロレックスオーナーが、“すり替え”や“手荒な扱い”以上に許せない“行為”とは

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腕時計を磨かれてしまう!?

 筆者が衝撃を受けたのが、腕時計に不具合が発生した場合にトケマッチがメンテナンスをしたり、傷がついたら磨きをかけると謳っていたという証言である。これは一見すると親切丁寧な対応のように思えるが、腕時計愛好家であればどんなにヤバいことかわかるはずだ。ましてや磨きをかけるなど言語道断であり、もっともやってほしくない行為である。それだけで資産価値も目減りしてしまうだろう。

 筆者の知り合いで、個人間の貸し借りでそうした被害にあった医師がいる。仕事で知り合った実業家にオーデマ ピゲの金無垢の腕時計を貸し出したところ、勝手に磨かれて返却されたというのだ。医師が問い詰めると、実業家は酔っぱらって路上で寝てしまい、傷をつけてしまったらしい。

 実業家は朝、手元の腕時計を見て、顔面蒼白になったことだろう。バレるとヤバいと思って修理業者に持ち込み、磨いてもらったというが、ケースが痩せただけで傷は取れなかった。ひどい話であるが、貸し出した医師も迂闊だったといえよう。

とにかく高級品を他人に貸すのはダメ

 繰り返すが、トケマッチに腕時計を預けたオーナーは腕時計への愛着が低いばかりか、ほとんど何もわかっていないレベルの人が多かったのではないかと推測する。さらに、リスクを十分に理解していなかった意味でも、資産運用も決してうまいとはいえないオーナーばかりだったと思う。コロナ騒動下の腕時計バブルで急増した小金持ちをターゲットにし、見事に受け入れられた点で、トケマッチの運営側は巧妙な手口を使ったといえる。

 こうした被害に遭わないためにはどうすればいいのか。対業者だけでなく、もはや個人との間でも高級品の貸し借りは厳禁である。腕時計だけでなく、高級ブランドのバッグでも、ポケモンカードでも同様である。偽物にすりかえられたり、傷をつけられたりするリスクが多すぎるのだ。ましてや、ネット上やオフ会で知り合ったりして、素性もわからない人に貴重品を預けるのは避けるべきだろう。

 指名手配された福原容疑者が仮に逮捕されたとしても、腕時計が戻ってくる可能性は限りなくゼロに近い。結局のところ、コレクション目的であろうと、資産運用目的であろうと、腕時計を守れるのは自分しかいないのである。大切に保管して、くれぐれも他者に貸し出すべきではない。トラブルに巻き込まれないためには、これが最善の防衛策といえるのではないだろうか。

山内貴範(やまうち・たかのり)
1985年、秋田県出身。「サライ」「ムー」など幅広い媒体で、建築、歴史、地方創生、科学技術などの取材・編集を行う。大学在学中に手掛けた秋田県羽後町のJAうご「美少女イラストあきたこまち」などの町おこし企画が大ヒットし、NHK「クローズアップ現代」ほか様々な番組で紹介された。商品開発やイベントの企画も多数手がけている。

デイリー新潮編集部

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