シェアサービスが突如終了で大炎上…「高級時計を他人に貸すなんて論外」と語るロレックスオーナーが、“すり替え”や“手荒な扱い”以上に許せない“行為”とは

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高級腕時計は他人に預けるな

 高級腕時計をオーナーから預かり、必要とする人に貸し出し、その利益の一部をオーナーに還元するというシェアリングサービスを運営していた「トケマッチ」が、2024年1月31日に突然サービスを終了。いまだ腕時計が所有者に返却されない問題が波紋を広げている。預かっていた腕時計が、ネットオークションに出品されていたという情報もある。

 そして、警視庁は顧客の腕時計を着服した業務上横領容疑で、トケマッチの運営会社「ネオリバース」代表の小湊敬済こと福原敬済容疑者(42)の逮捕状を取った。福原容疑者は既に1月下旬に海外に出国しているため、国際刑事警察機構(ICPO)に国際手配を要請するという。

 トケマッチの被害は1億円を超えるとみられ、被害者が団結して裁判を起こす動きもあるようだが、おそらく腕時計が返却されることはないだろう。結局、被害者は泣き寝入りする可能性が高いのではないか。

 もちろんトケマッチの運営側のやったことは論外であり、糾弾されるべきである。しかし、筆者にはこうしたシェアリングサービスに大事な腕時計を貸し出してしまうオーナー側の感覚がまったく理解できない。筆者はロレックスやパテック フィリップなどの高級腕時計を数本持っているのだが、友人同士で貸し借りをするのも絶対に嫌である。

腕時計を資産としてしか見ていない?

 失礼を承知で言えば、おそらくトケマッチの被害者の多くは腕時計にそれほど関心がなく、単に“資産”として見ている人が大半のように思われる。そういったオーナーは、2020年に始まったコロナ騒動で急増した印象を受ける。日経平均が上昇して現物資産に注目が集まり、腕時計市場がバブル状態となり、ロレックスやオーデマ ピゲなどの人気モデルが軒並み値上がりしたためである。

 一般メディアにも「高級腕時計を買えば儲かる」「腕時計投資」「魅力的な現物資産」などの煽り文句が並び、一部の富裕層がそれに飛びついた。例えば、筆者の知り合いに、コロナワクチンの接種事業や株式投資で莫大な金を儲けた医療従事者がいる。彼は腕時計にはまったく興味がない。しかし、儲けを現金で持っておくよりいいからと、腕時計を大量に買いまくったのである。

 この医療従事者のように、ポンポンと高級腕時計を買いまくれるだけの資産がある人は、買ったのはいいけれど普段は使わないから――という軽い気持ちで、トケマッチに腕時計を貸し出したのかもしれない。しかし、他人に時計を貸すなどということは、資産運用の観点で見ても絶対にやってはいけないことなのである。それは、なぜか。

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