メディアはなぜ円安の恐ろしさを訴えないのか 日経平均4万円突破と裏腹の日本沈没の危険性

ビジネス

  • ブックマーク

 3月3日、日経平均株価ははじめて4万円の大台に乗せた。1989年の大納会でつけた3万8915円が、2月22日に34年ぶりに更新されたばかりで、一息つくかと思いきや、勢いは止まらなかった。なにしろ、年初から2カ月余りでもう7000円も上昇している。このため、一部では「失われた30年」から脱したように騒いでいるが、一方で、たいていの人は好景気など実感していない。

 当然だろう。日本人の平均賃金は経済協力開発機構(OECD)が公表しているデータによれば、1990年とくらべて1.1倍とほぼ横ばいだが、アメリカは2.8倍になっている。...

つづきを読む