「協会の狙いは元白鵬の追放」「次に不祥事を起こせば…」 宮城野親方と協会が本格的な死闘に突入

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陸奥部屋の暴行隠蔽問題と比較すると…

 結果として今回、宮城野親方に下された降格処分は、7段階ある処分の中で3番目に重いものだった。

「さらに、宮城野部屋について、3月場所は所属する伊勢ケ浜一門の玉垣親方(59)が師匠代行を務め、4月以降は同一門の預かりとすることが決まりました。宮城野親方には弟子の監督責任だけでなく、暴行の事実を把握しながら協会に報告をしなかったことなど、親方としてのさまざまな資質を問うているからです」(前出の大相撲担当記者)

 しかし、宮城野親方に下された処分が厳しすぎると指摘する声もある。たしかに、本誌(23年5月18日号)が報じた陸奥(みちのく)部屋の暴行隠蔽(いんぺい)問題と比較すれば、その差は明らかだ。

「本格的な死闘に突入」

 陸奥部屋に所属する序二段の元安西(やすにし・22)=現・日煌(にっこう)=は昨年、兄弟子から凄絶なイジメを受けていたことを陸奥親方(64)に相談するも、部屋内で隠蔽を図られてしまった。

 彼が受けたイジメの実態や隠蔽の経緯は本誌が報じた後、スポーツ紙なども追いかけ社会問題となった。

 にもかかわらず、協会が昨年6月、陸奥親方に下した処分は報酬減額のみ。これは7段階ある処分の中で2番目に軽いものだった。

 元安西の実名告発も虚しく、協会は「隠蔽を疑わせる事情までは認められない」と結論付けたのだ。陸奥親方はひとまず協会ナンバー2の事業部長の職を辞任したが、理事の座にはとどまり、今も陸奥部屋は変わらずに運営されている。

「協会は公益財団法人とは思えないほど、露骨な身びいきを繰り返してきました。幹部たちは、仲間については事実を曲げてまで庇うのに、気に入らない相手は徹底的に排除する。貴乃花(51)がいい例です。目下、一番の敵は宮城野親方。最終的な目標は角界からの追放でしょう。今後、両者は本格的な死闘に突入していくとみられています」(同)

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